29大会連続29度目出場の聖和学園(宮城)が、初出場の神村学園高伊賀(三重)に2-1で逆転勝ち。4大会ぶりの初戦突破を決めた。

曽山加奈子監督(33)は「過去3年間、全国で勝つことが難しいと知った。選手たちが良く頑張ってくれた。素直にうれしい」と全国1勝の喜びをかみしめた。

MFの3年生コンビが躍動した。0-1の後半19分。パスを受けた桜井寧々がドリブルでゴール前まで突破。最後は右足を振り抜き、ネット右隅に同点弾を突き刺した。1分後には、エースストライカーの渡辺琉那がこぼれた球に反応。最後は倒れ込みながら、右足で押し込んだ。曽山監督は「ゴール前での崩しをずっと練習してきた。それを初戦で出せたのは、選手たちの自信になったと思う」と手応えを感じた。

選手権4度の出場を誇る同校男子サッカー部の胸を借りて汗を流した。週に1、2回ほど練習試合(20分×4本)を行っており、当たり負けしないフィジカル、頭脳プレーなどを磨き上げた。この試合では終始ボールを支配し、相手のシュート数2本に対して、14本と圧倒。積み上げた努力の成果を存分に発揮した。

次戦は4日、作陽(岡山)と対戦する。指揮官は「大きな目標は優勝ですけど、1戦1戦が大事だと思う」と足元を見つめた。初代優勝を含む日本一3度を誇る名門。聖和学園イレブンが、01年度以来の女王奪還へ一戦必勝を貫く。【佐藤究】