大学サッカーの地域別対抗戦、デンソー杯の決勝は関東勢同士の対決となり、関東選抜Aが関東選抜C・北信越選抜に逆転勝ちし、優勝した。今大会3戦3発のDF山原怜音(筑波大3年)がMVPに輝いた。

前半31分、カウンターから先制を許したが、直後の前半36分にMF白井海斗(順大3年)のゴールで同点に追いついた。

前半44分、関東選抜C・北信越選抜はMF大森渚左(日大3年)がペナルティーエリア内で決定機を阻止するハンドで1発退場。相手のFW大森真吾(順大2年)がPKを決め勝ち越し、後半44分、山原が右サイドからドリブルでゴール前に仕掛け、優勝を引き寄せた。

山原は「自分の特長はゴールに関わるプレーをすること。ゴールを決める仕事をしようという思いを持っていました」。MVP獲得には「大会が始まる前は想像もしなかったことなので。今は、喜びよりも驚きの方が強いです」とはにかんだ。

右サイドバック、右MFが主戦場で攻撃的な仕掛けとシュート力がが持ち味。今大会は出場した全3試合で得点した。

「大学に入ってから、出た試合で毎試合、得点をすることがなかった。自分の得点がチームの勝利につながっているという感覚があった。やはり、自分はゴールに関わるプレーが求められているとあらためて大会を通して感じた」と充実した表情を浮かべた。

中学、高校とJFAアカデミー福島でプレーした。震災後に入校し、福島ではなく一時移転先の静岡・御殿場で過ごした。被災はしていないが、東日本大震災から10年たった今も「アカデミー福島出身」として東北への思いは強い。Jヴィレッジで活動していたチームに入って、震災について考えさせられる部分が多かった。この先も、福島のチームの出身として何かできたら」と話した。

【岩田千代巳】