ホーム開幕戦で「山田劇場」が幕を開けた。

前年度の全国選手権で準優勝に輝いた青森山田が、同選手権8強の市船橋(千葉)を9-0で一蹴。計7選手で9発のゴールラッシュで、相手を圧倒した。FW名須川真光(まさき、3年)が、先制ゴールを含むハットトリックを達成。チームは2戦連続の快勝で、2年ぶりのリーグ制覇を目指す。

主役の名須川が、ゴールショーを演じた。出番が訪れたのは前半16分。DF多久島良紀(2年)からのパスにワンタッチで抜け出し、最後は右足でネットを揺らした。同22分にも追加点を奪い、後半3分に頭で合わせて3得点目をマーク。「ホーム戦だったので、点を取りたい気持ちは強かった。でも、(3ゴールは)想定外です(笑い)。(黒田)監督に『徹底してニアに飛び込んでいけ』と言われてたので、その結果を出せた」と振り返った。

試合で勝つために、練習から高い意識で取り組む。名須川は自信を持って、言い切る。「練習から1本にこだわっている。決めきるところは、決めないと勝てないので」。同選手権決勝で山梨学院に敗れ、2大会連続で優勝にはあと1歩届かなかった。「自分がストライカーとして働けず、負けた」と当時は2年生ながら主力として強く責任を感じた。今冬は同校恒例の“雪中トレ”で心身ともにスケールアップ。ゴールした直後は、ピッチ上で力強くガッツポーズ。悔しさを肥やしに、一冬を越えた成果を発揮した。

チーム目標は、同校初の快挙となる高校3冠(高円宮杯、高校総体、全国選手権)達成だ。「一戦必勝で戦い、無失点で優勝する」と力を込めた。【佐藤究】

○…MF藤森颯太(3年)はプレミア初ゴールを含む、1ゴール2アシストの活躍だった。4-0の後半14分、MF松木玖生(3年)からのパスに、ヘディングでゴールネットに突き刺した。藤森は「自分にとっては初得点。でも、クロスの質だったり課題もあった」と満足はしていない。それでも、ゴール直後は渾身(こんしん)のガッツポーズで喜びを表現した。前半の2アシストは、いずれも名須川のゴールを演出。「ドリブルで切り込んでいくのが、自分の持ち味だと思っている。1戦1戦を大事に戦っていく」と気持ちを引き締めた。