C大阪が1-0でホーム浦和戦を制し、4試合ぶりの勝利をつかんだ。DF丸橋祐介(30)が後半21分、利き足ではない右足で今季初ゴールとなる決勝点を記録。3試合連続で試合終了間際に失点していた守備陣も踏ん張った。新型コロナウイルスの感染者を出してから初勝利となり、次戦は5月2日の大阪ダービーとなる。G大阪は0-0で清水と引き分けた。

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狭いコースを変則回転したシュートが転がる。C大阪が得た後半21分の右CK。こぼれ球に反応した、副主将のDF丸橋が右足を振り抜く。利き足ではなかったため、「うまく当たらなかったがそれがかえって、相手に当たって、いいコースに転がっていった。ラッキーです」。不動の左サイドバックの今季初得点が、決勝点となった。

前半を終え、主将MF清武がベンチに退いた。後半は「(清武が)補えない部分で頑張っている」という30歳の左腕にキャプテンマークがあった。J1通算284試合18得点となった下部組織育ちの大黒柱が、窮地を救った。

チームではMF坂元ら主力3人が故障離脱し、今月4~6日の間に選手1人、チーム関係者2人が新型コロナに感染した。その後の3試合は後半42分以降にすべて失点して1分け2敗。一時濃厚接触疑いとなったレビークルピ監督も2試合指揮を離れた。クラブが掲げた「3位以内」へ、もう後がなかった。

丸橋と通算6年目(09~13年と21年)の師弟関係になるレビークルピ監督は「彼は昔と技術は変わっていないが、数字を残していかないといけない選手」と結果を追求させている。香川や南野ら当時の若手を欧州へ送り出したブラジルの名将は、丸橋のようなベテランの背中も押し続ける。

難局を乗り越え、4位に踏みとどまった。次戦は5月2日の大阪ダービーまで2週間試合がない。入国制限で合流が遅れたオーストラリア代表FWタガートらも近く練習に加わり、C大阪は上位浮上の夏を迎える。【横田和幸】

◆丸橋祐介◆ まるはし・ゆうすけ。1990年(平2)9月2日、大阪市生まれ。C大阪ジュニアユース、ユースを経て、MF山口蛍(現神戸)とともに09年プロ契約。11年アジア杯日本代表予備登録メンバーに入った実力者で、17年度の天皇杯など2冠に貢献。現在8年連続30試合以上に出場中。178センチ、73キロ