J2アルビレックス新潟のMF高木善朗(28)が初の年間個人タイトル獲得へ意欲を示した。13日のホーム岡山戦に備え、12日は聖籠町で調整。現在リーグトップの10アシストと、得点ランク4位タイとなる7得点を挙げている司令塔は、プロ野球で盗塁王のタイトルや、ベストナインなど数々の表彰を受けた父豊氏(62)の助言を生かし、強気にゴールに迫る。

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抜群のテクニックで攻撃を操る高木が、この日は「強肩」でも存在感を示した。ドリブルする選手を目がけ、柔らかいボールを投げるウオーミングアップで高木は、プロ野球、大洋(現DeNA)で二塁手としてダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞)を受賞した父豊氏譲りの守備範囲と送球を披露し、次々と相手を仕留めた。もちろん、本業の「足」でも本領を発揮。10対10のポジショナルゲームでは高精度のパスを連発し、好調をアピールした。

ハイペースで得点(7得点)とアシスト(10)を重ね、開幕前の高知キャンプで公約していた「10・10」に、アシストはすでに到達。このままのペースならJ2が現行の22チーム制となった12年以降、19年の柏FWクリスティアーノが記録した年間最多18アシストを大幅に更新する勢いだ。盗塁王やセ・リーグベストナインにも輝いた父からは「数字を残すことは大事」と助言を受けていることを明かし、「現状に満足せず、数字を残すことにこだわってプレーしたい」と意気込む。

リーグ戦は17試合が終了。首位に立つ新潟の勝ち点は37で、京都と並ぶ。3位磐田が同35、4位琉球が同34と僅差で続く。今節も結果次第では順位が入れ替わることもあるが高木は平常心を貫く。「最後に上にいることが重要。岡山戦もいつも通り主導権を握り、質の高いパスやクロスから得点を狙いたい」と決意を示した。【小林忠】

★高木豊氏の主なタイトル・表彰 ◆盗塁王(84年)◆ベストナイン3度(85年遊撃手、90、91年二塁手)◆ダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞)1度(83年二塁手)