第8回全日本U-18フットサル選手権(29日~8月1日、京都)に出場する帝京長岡高サッカー部(北信越代表、3大会ぶり6度目)が大会最多3度目の日本一を狙う。チームをけん引するのは中村太一(3年)。柔らかなタッチからのシュートやパス、相手の懐に入り込むようなドリブルでチャンスメークする。2大会連続で4強入りしている冬の全国高校サッカー選手権初制覇へ向け、今大会優勝で弾みをつける。

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中村がチームを3度目のフットサル日本一に導く。持ち味はクイックネスの利いたドリブルと、状況を一気に打開する正確なパス。身長160センチと小柄だが、強気のファーストタッチで相手の嫌がる位置に突入し多彩なパターンで攻撃を操る。「チームはフットサルの練習を特別していないが、狭いエリアを打開することは得意。一丸となって優勝を狙う」と意気込む。

フットサルは11人制のサッカーと違い5人制。コートも40メートル×20メートルと狭い。攻守の切り替えが速く、対峙(たいじ)する相手との距離も近い。「狭いスペースをどう崩すか。頭をフル回転させながらプレーしている」。「アラ」と呼ばれる攻撃的なポジションから「ピヴォ」(サッカーのFW)でのポストプレーを起点にゴールを狙う。

第5回大会(18年)では12得点で大会MVPに選出されたFW晴山岬(J2町田)に、MF谷内田哲平(J2京都)DF吉田晴稀(J2愛媛)らを擁し2度目の日本一を獲得。「自分たちでも『できるんだ』というところを示したい」。

中村は1年時、全国高校サッカー選手権(19年度)で3試合に途中出場し、県勢初の4強入りを経験した。ただ昨冬の全国選手権は左足骨折でメンバー外。現在もトップチームでのプレーから遠ざかるだけに今大会で完全復活を示すつもりだ。「目標は選手権初制覇への貢献。メンバー入りへ、ここで結果を残し、チーム全体にも、自分にも弾みをつけたい」。全国を相手にする絶好の機会に、中村は自らの存在価値を証明する。【小林忠】

◆中村太一(なかむら・たいち)2003年(平15)4月19日生まれ、東京都出身。5歳でサッカーを始め、稲城一小(東京)1~3年は稲城SSS、小4から稲城三中3年までは三菱養和SC調布ジュニアユースに所属。帝京長岡では1年時に全国選手権に出場し4強入り。160センチ、53キロ。利き足は右。

◆大会メモ 地域代表など16チームが参加。4グループに分かれリーグ戦を行い、各グループ上位2チームが決勝ラウンド(ノックアウト方式)に進出。帝京長岡のグループCには岩見沢農サッカー部(北海道第1)、エスタボンU18(関西大第1=大阪)、桜ケ丘フットサルクラブ(九州第2=鹿児島)が入る。