ヴィッセル神戸の元日本代表DF酒井高徳(30)が、収穫と課題を指摘した。

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ホーム最終戦で2位横浜に黒星を喫しながら、来季のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場圏内の3位が確定。クラブ史上最高順位を達成し、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は「てっぺんを狙えるところまで来つつあると実感している」と強調。一方で、今季は優勝した川崎Fに1分け1敗、2位横浜には2敗と上位2クラブには未勝利に終わった。J屈指のメンバーをそろえながら、酒井は「タイトルを1つも取れずに終わっている」と語り、来季への巻き返しへ目を向けた。

以下、試合後の会見での一問一答。

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-横浜戦の総括を

酒井 ACL出場を達成できたのは、すごく良かった。ただタイトルを1つも取れずに今シーズン終わっている。来季、何もない状態は難しいので、ACLを頭に入れながら、(来季)試合ができるのはうれしいこと。成長した姿は少しは見せられた。その中で、現実に目を向けなければいけない。2位(横浜)との直接対決に負けているのは事実。同じ相手に2敗をしているということは、力の差がある。リーグ優勝の目標を掲げる中で必要なこととして、この実力差は埋めていかないといけない。

-個人的なパフォーマンスについてはどうか

酒井 全試合に出た(先発)とかは気にしていなくて、貢献度は人それぞれ見る角度が違う。(個人的な)数字が少なすぎるのはある。優勝している(川崎)フロンターレのサイドバックと比較した時に、自分は物足りない。守備においては、DFなのでしっかりやらないといけないのはもちろん、攻撃に貢献したかといえば、クロスの質が低いので得点につながっていない。個人的には満足なシーズンとはいえないです。

-首位川崎F、2位横浜に追いつくためには何が必要か

酒井 個人的にすごく思うのは、得点力が両者(川崎Fと横浜)は高い。ボクたちは守備を修正しないといけないというのがあって、守備を修正すればチーム力はこれだけ向上するんだというのを実感した。(今後は)攻撃の脅威を持てるようにサイドバック、ボランチがもっと(攻撃に)絡んでいく。攻撃の厚みをもっと、もっと、増やせれば得点パターンは増えていくと思う。あと、細かい致命的なミスは上位対決をした時にやってはいけない。ミスを少なく、レベルを高くしないと、そういう試合(上位対決)は落としてしまう。

-来季に向けては

酒井 チームとしての熟成度は上がっている。強力な選手も入ってきて、当たり前のように結果を出さないといけない。僕が来た時(19年夏)よりも、練習に対する態度や覚悟が高まっているけど、もっと練習からできる。この2年間で戦う姿勢や勝ちにこだわる姿勢といったサッカーの本質に気づき始めている。