絶対的守護神が杜(もり)の都を去る。

来季J2に降格するベガルタ仙台のGKヤクブ・スウォビィク(30)が、J1・FC東京へ完全移籍することが5日、決定的となった。「クバ」の愛称で親しまれる元ポーランド代表は、海外移籍したGKシュミット・ダニエル(29)の後釜として19年夏に仙台入り。すぐに定位置をつかみ、リーグ15試合に出場した。昨季はコンディション不良で一時離脱することがあったものの、27試合でピッチに立ち、今季は38試合中37試合でゴールを守った。

スウォビィクは至近距離のシュートにめっぽう強く、チームが低迷する中でもスーパーセーブを連発してきた。「集中!」など大声で日本語を交えながら的確なコーチングを送り、チームメートの信頼も厚かった。人気、実力ともに申し分がなく、20、21年と2年連続でサポーターが選ぶ年間MVPに選出。そんな絶対的存在だった「クバ神」の流出はJ1復帰への大きな試練となる。