第100回全国高校サッカー選手権が28日に開幕する。2年ぶりの全国制覇を目指す静岡学園は、29日の1回戦で徳島商と対戦(千葉・フクアリ、午後2時10分)。日刊スポーツ静岡版では「静岡学園 2年ぶり頂点へ」と題して、チームの顔触れを連載する。

      ◇     ◇

DF西村湧志(ゆうし、3年)は悔しさを糧にはい上がってきた。中学時代はJ1神戸の下部組織でプレーした。だが、1度も公式戦に出られなかった。ユース(U-18)への昇格もかなわず、高体連でのプレーを選択。「昔からテクニックがある静学にあこがれていた。人生をかけるつもりで静岡にきた」。強い決意で入学してきた。

今年からAチーム入り。夏前までは左サイドハーフが主戦場だった。けが人の影響で右サイドバックにコンバートされると、才能が開花した。「もともと攻撃は得意だった。スピードにも自信があった」。50メートル6秒1の俊足を生かした攻撃参加を見せてアピールし、スタメンに定着。「今は対人プレーも強化している」。課題の守備力向上を図っている。

幼いころ、父親の転勤が多く、国内外を転々とした。生まれはシンガポール。三重でサッカーを始め、小学3年からの2年間は中国・蘇州市で生活した。帰国後は神戸に定住。「(引っ越しが続いて)友だちがあまりできなかった。毎日一緒に寮生活できている今が、一番充実している。少しでも長くみんなとサッカーがしたい」。最高の仲間と目標の日本一を目指す。【神谷亮磨】

◆西村湧志(にしむら・ゆうし)2003年(平15)9月25日、シンガポール生まれ。小2からFC四日市(三重)でサッカーを始め、中学時代は神戸U-15でプレー。家族は両親、兄。174センチ、63キロ。血液型A。