「お祭り男」が、浦和での有終の美を飾った。浦和レッズが大分トリニータを2-1で下し、3大会ぶりの優勝を飾った。1-1の後半ロスタイムに、途中出場のDF槙野智章(34)が右CKからの流れで、頭で押し込んだ。

契約満了のため今季限りで退団する男が、浦和ラストマッチで来季のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)切符をもたらした。クラブは歴代最多タイ8度目の制覇で、今季限りで現役引退するMF阿部勇樹(40)の花道を彩った。

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「リトルホンダ」ではなく、「リトル・ユンカー」がいなければ、浦和の天皇杯優勝もなかった。FWユンカーは決勝戦こそ、無得点に終わったが、今大会3得点の活躍で、チームを大いに盛り上げた。

デンマーク出身のイケメンストライカーの趣味はゲーム。自宅ではニンテンドースイッチ、プレステでリラックス。好きなゲームは「コール オブ デューティー」。戦争をテーマにしたシューティングゲームで、ストレス発散。「自分の中の子どもが楽しめるように」と独特に表現。「どういう意味?」と聞くと、チームスタッフが「リトル・キャスパー、リトル・ユンカーだね」と言い、ユンカーも「そう」と笑い、心の中のユンカーを癒やす。

大好物はうどん。「デビューした試合で、うどんを食べてゴール出来た。味にも感動した」。ウーバーイーツの注文にも熱が入る。あらゆる味に挑戦した中で「普通の温たかいうどんが好きだね」と七味、ねぎも忘れない。

来日して1年に満たないが、パスタも箸で食べるほど。「自分でも驚いたよ」と笑う。来季はさらなる活躍が期待される。「浦和は日本、アジアでもビッグクラブ。ファン、サポーターもアジアナンバーワン」と言った。「リトル・ユンカー」に聞かずとも、即答だった。【栗田尚樹】