長崎総合科学大付が1-0で昨年度8強の堀越(東京A)を下し、過去最高の8強入りした17年度以来4大会ぶりの3回戦に進んだ。2回戦も国見で選手権6度Vの小嶺忠敏監督(76)を体調不良で欠いた。それでも、モチベーションは高く粘り勝ち。DF児玉勇翔主将(3年)の負傷交代のピンチもあったが、一丸でカバー。指導歴54年目の名将を元気づけた。

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時折雪が舞う駒沢で、小嶺チルドレンの魂だけは燃えていた。

6度の選手権Vを誇り、体調不良で不在の名将を思い出の国立へ-。1回戦後、「監督を国立に連れて行く」と意気込んでいたDF原口が2戦連発の決勝点で勝利に導いた。

精度の高い右CKからヘディングで決めて「点を取れたのは味方の頑張りがあったから。いいボールが来て点が取れた。味方に感謝している」と声を弾ませた。主将で守備の要のDF児玉が負傷交代。代わって主将マークを巻いた原口は「児玉が抜けるのは痛手だが、キャプテンマークを巻いたからには、自分がチーム全体を統率しようと思った」と気合十分だった。

現在、小嶺監督は回復しているが、大事を取り選手権指揮は出来ない可能性があるという。最近は病院の短期入院や注射を打ち、薬を飲むなどして、いつ倒れてもおかしくない状況で指揮していたという。だが、12月中旬に体調が悪化。2回戦も定方コーチが代行指揮を執った。それでも、小嶺監督への思いを胸に、選手の士気も高かった。

小嶺監督が指導に情熱を注ぐあまり治療に行く時間も惜しみ、歯医者に行かず、虫歯を部員にペンチで引っこ抜かせたことがあったというのは有名な話。国見時代も、体調を崩して何度も入院を勧められたが「病は気から。練習があるから休めない」と拒んだ。現在もその気概は同じ。誰にも負けないサッカーへの情熱は、選手の精神にも脈々と受け継がれている。【菊川光一】

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