史上初の3連覇を狙う藤枝順心が、危なげなく準決勝に進んだ。追手門学院(関西2位、大阪)を4-1で退けた。19年度決勝から続いた選手権の連続無失点試合は「8」でストップ。順心が持つ大会記録の9試合には届かなかったが、FW窓岩日菜主将(3年)は「失点の反省はあるけど、突破できてホッとしている」と勝利をかみしめた。

前半3分。こぼれ球を拾ったDF中井佑姫奈(ゆきな、2年)が、左足でネットを揺らす。この先制点を契機に、次々とヒロインが誕生した。同12分、MF久保田真生(1年)が右足ミドル。同25分にはFW斎藤花菜(3年)が反転から右足で決め、最後は後半12分にFW正野瑠菜(2年)が豪快なヘディングで試合を決めた。

中村翔監督(33)は夏に行った追手門学院との練習試合を通じ、攻略の鍵を「相手の右サイド」に置いた。この日、センターFW斎藤を左サイドで起用し、前半の3得点は同サイドから誕生。狙いもはまった。

今大会はここまで、6人が3試合で7得点。久保田は「チーム内で競い合って、良い感じで刺激し合えている」と手応えを口にした。7日に迎える日ノ本学園(関西1位、兵庫)との準決勝へ、女王の視界は良好だ。【前田和哉】

○…負傷離脱していたDF井手ひなた(3年)が、戦列復帰した。3-1の後半開始から出場。体を張った守備で反撃を断った。1日の練習中に足首を痛めたばかりだが、酸素カプセルなどの懸命なリハビリで早期復帰を果たした。来季、WEリーグのINAC神戸入りが内定している最終ラインの要は「残り2試合。無失点で3連覇を達成したい」。準決勝を前に頼もしい戦力が戻ってきた。