ビーチサッカーの日本代表候補合宿(23~27日、沖縄)に柏崎市の「ビーチサッカークラブFUSION」に所属するフィールドプレーヤーの藤本凌久(りく=19)と成田彪我(ひょうが=24)が初参加した。2人の当面の目標はインターコンチネンタルカップ(10月25~29日、UAEドバイ)での代表入り。2人は初めて日の丸を背負うために、アピールを続ける。

若手のホープ2人は「やっときたかという感じ」(藤本)、「トップ選手から学びたい」(成田)と楽しみにしていた初の代表候補招集での合宿に全力で取り組んだ。もちろん目標は日本代表入り。ビーチサッカーで今季最大の国際試合、インターコンチネンタルカップで日の丸を背負う姿をイメージし、候補合宿5日を乗り切った。

藤本の父でもあるFUSIONの晴久監督(51)は「凌久は交代なしで動けるスタミナと速さ、成田は足元のうまさがある」と言う。身体能力が高い藤本はオーバーヘッドが得意。成田は187センチの体格を生かしたパワフルなシュートが武器。「代表の中心になれる。これからもしっかりアピールしてほしい」と期待する。

経歴は対照的だ。藤本は東京VのビーチサッカーチームでGMを務めていた父の影響で小学4年から始めた。当時は同世代の選手がほとんどいなく、大人とともにプレーする中で基礎を築いた。成田はフットサルリーグF1浦安を退団し、20年に柏崎に移住。競技歴はまだ2年ほどだ。キャリアは異なってもそれぞれの思いは強い。

「世界で活躍する選手になりたい」と言う藤本は、現在NPO法人の立ち上げの準備中。業務内容は地元柏崎の海の美化と活性化で「海がきれいだからこそ、ビーチサッカーができる。競技を広めながら取り組みたい」。成田は知人を介して藤本監督と知り合いビーチサッカーに転向した。「難しかった」と言いながらも「だからやりがいがある」と持ち前のチャレンジ精神をあらわにする。

インターコンチネンタルカップまで今後、複数回の候補合宿が予定される。「全部招集されたい」と声をそろえる2人は文句なしでの代表入りを狙っている。【斎藤慎一郎】

◆ビーチサッカー 1チーム5人で試合を行う。基本ルールは11人制と同じ。砂上のコートのサイズは縦35~37メートル、横26~28メートル。1ピリオド12分の3ピリオド制で、選手交代に制限はない。

◆藤本凌久(ふじもと・りく)2003年(平15)2月24日生まれ、柏崎市出身。柏崎小1年からサッカーを始め、4年からビーチサッカーに取り組む。柏崎一中でもビーチサッカーを継続。柏崎工1年からFUSIONの主将を務める。昨年は日本ビーチサッカー選抜に選ばれた。176センチ、67キロ。

◆成田彪我(なりた・ひょうが)1997年(平9)11月17日生まれ、千葉県出身。小1からサッカーを始める。中学時代はエクサスSC所属。暁星国際高では2年の高校総体千葉県予選で4強。卒業後、専門学校でフットサルに転向し、Fリーグ浦安に加入した。20年4月からFUSION所属。187センチ、83キロ。