今季から清水ユースを指揮する沢登正朗監督(52)は、初陣を飾れなかった。2-3で東福岡に惜敗。FW成沢夢行(ゆあん)主将(3年)が先制点を挙げるも、前半に逆転された。同点で迎えた後半ロスタイムに、セットプレーから決勝点を献上。痛恨の失点で開幕戦を落とした。

今季昇格の静岡学園は4-0で大津(熊本)に快勝し、同リーグでは9季ぶりの勝利。磐田U-18は3-1で、昨季リーグWEST王者の広島ユースを下した。

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悔しい逆転負けだった。2-2で迎えた後半ロスタイム、清水ユースはCKから決勝点を許した。反撃する時間もなく、試合は終了。選手たちは冷たい雨に打たれながら、ピッチを後にした。2005年限りでの現役引退以来、17年ぶりに古巣復帰した沢登監督は「これもサッカー」と潔く敗戦を受け止め、「選手はやりたいサッカーを表現してくれた」とねぎらった。

目指すべきスタイルは示せた。前半から長短のパスで相手を揺さぶり、同19分に右クロスをFW成沢が右足で合わせた。先制点を挙げた主将は「練習してきた形を出せた」。1点を追う後半2分には、FKからFW斉藤柚樹(3年)が右足で押し込み、同点。その後も流れるようなパスワークからゴールに迫るシーンを何度もつくった。

敗因は、決定力不足と相手カウンターへの対応。課題は明確になっている。9日の次節は磐田U-18との「静岡ダービー」。負けられない一戦に向け、沢登監督は「この悔しさを選手にも植え付けて、次は必ず勝ちたい」と気持ちを切り替えた。【神谷亮磨】