規律違反の問題を発端に9日付でMF乾貴士(34)が途中退団したセレッソ大阪が、迎えた最初の公式戦で4ゴールを奪い、大勝を飾った。これで破竹の公式戦6連勝となった。

ルヴァン杯8強を懸けた第2戦は、C大阪が前半に2年ぶりに復帰のDFマテイヨニッチの今季公式戦初ゴールで先制。MF為田、清武も追加点を挙げ、前半だけで勝負をほぼ決定付けた。後半3分にもMF奥埜が4点目を加算した。

昨年は準優勝に終わったルヴァン杯で、3年連続でベスト8進出となり、17年大会以来5年ぶり2度目の優勝へ、大きな弾みをつけた。

小菊監督は「(選手には)勝ち切って、次のステージに進もうということは強く共有して臨んだ。湘南が攻撃で人数を多くかけてくることも想定内で、ボールを持たれることも予想していた」と説明。カウンターもまじえて効果的な攻撃を仕かけた。

2点目を決めた為田は「小菊監督やキヨ(清武)君を中心に、精神を統一して臨んだ。やることは変えないというチームの共通理解があった。立ち上がりからアグレッシブに、前からプレーできた」と胸を張った。

先制点後、主将MF清武がDF丸橋の背番号14のユニホームを掲げた。

下部組織出身の31歳丸橋は今季、途中から出番が激減していた。最近になって左膝を手術し、今季絶望の可能性がある。これまでC大阪を支え続けてきた左サイドバックに、清武は「早く戻ってきてほしい気持ちがあるのでやった」と、仲間への思いを口にした。

C大阪の今季、掲げた合言葉の1つが「絆」。クラブ全体としては乾の問題に揺れた時期もあったが、チームはピッチ内のことだけに集中しており、タイトル獲得を目指す姿勢は何も変わらない。