大声援に勝ち点3で恩返しできなかった。モンテディオ山形はホームで栃木SCに0-2で敗れ、5試合連続未勝利(2分け3敗)となった。ゴール裏のホーム、ビジター自由席限定で2年7カ月ぶりに声出し応援が解禁された一戦。ホーム自由席のチケットが完売となる盛況ぶり。しかし、応援チャントに乗って最後までゴールを目指すも、結果で応えられなかった。次戦は中3日、6日にアウェーでV・ファーレン長崎と対戦する。

NDスタにサポーターの大声援が帰ってきた。キックオフ51分前の午後6時12分、「ヤマガター、ディオー」と第一声が響き渡ると、その後も途切れることなく応援チャントのオンパレード。「12番目」の選手が90分間、汗を流し、魂を込めて歌い、山形イレブンを力強く後押しした。

この試合は「声出し応援運営検証対象試合」として開催され、ホーム自由席、ビジター自由席限定で「声援」が認められた。応援時は常に不織布マスク着用、肩組みやハイタッチ、指笛禁止など制約は多かったが、いつもの応援スタイルに前進。コロナ禍前、19年11月24日の町田戦以来951日ぶりにホームで応援チャントが復活した。

前半2分に先制され、後半36分にも追加点を奪われた。チャンスを多く作り、FWチアゴ・アウベス(26)を中心にゴールを目指すも、無得点に終わった。この試合では大胆な選手起用を行った。6月27日にJ1鳥栖から育成型期限付き移籍で加わったFW藤原悠汰(23)が即先発デビュー。165センチと上背はないものの、前線で体を張り、後半16分までプレーした。

昨春就任したピーター・クラモフスキー監督(43)にとって山形サポーターの声出し応援は初体験だった。0-2という敗戦に「説明できないほど残念だし、言葉で言い表せない。選手たちも(応援を)楽しみにしていたし、エネルギーをもらっていたと思う。私も選手もクラブも彼らを笑顔で帰せずに残念に思う」と話した。

7ゴールでチーム得点王のFW藤本佳希(28)が全治6~7カ月の大けが、5ゴールでチーム2位のFWデラトーレ(30)も2試合連続ベンチ外と苦しい台所事情は続く。「『出口の先に光がある』ということわざがあるが、常にその光は見える」と指揮官は言う。勝利という光を目指し、ファイティングポーズをとり続ける。【山田愛斗】