Jリーグは26日、野々村芳和チェアマンが裁定委員会に諮問していたサポーターによる違反行為を繰り返していた浦和に対し、けん責と上限となる罰金2000万円の懲罰を決めた。

浦和は5月21日にホームで行われたリーグ第14節鹿島アントラーズ戦の開始前、スタジアム入りするバスに向かってサポーターが集団で声だし応援をし、一部はマスクの着用もなかった。これがJリーグの定める新型コロナウイルス対策ガイドラインに違反した。

またクラブに対しては、これらの行為を防止することも制止することもできなかったことについて、Jリーグ規約に違反していると判断した。

以上のことから、クラブへのけん責と、2000万円の罰金が決定した。

浦和は20年10月31日の大分トリニータ戦でも規約違反があり、21年2月22日に罰金300万円とけん責の懲罰を受けていた。短期間で違反が続いたことや、ガイドラインによる声出し応援禁止などについてサポーターが強い不満を抱いていることを知っていながら制止のための態勢、整備を行った形跡が見られなかったことなどが、厳罰化につながった。

また今後もサポーターに起因する違反が起きた場合には、勝ち点の没収や無観客試合といった処分となる可能性があると明確に示した。

◆過去の上限2000万円の制裁金 

★浦和、G大阪(08年6月)同年5月17日のJ1第13節浦和-G大阪戦でサポーター同士が衝突。投げ込まれた水風船が、浦和ファンの子供に直撃したり、G大阪サポーター1人がスタンドから溝に転落して重傷を負った。パトカー約30台、約200人の警官が出動する騒ぎになった。

★大宮(10年11月)07年11月から主催58試合で合計11万1737人の入場者数の水増しが発覚。渡辺社長が辞任。水増しにかかわったクラブ幹部2人が解任された。