浦和レッズがホームの大声援を受けて、準決勝進出を決めた。チームを勝利に導いたのは、かつて自身も“浦和サポーター”だったMF伊藤敦樹(23)だ。

名古屋グランパスのハイプレスに苦戦し、なかなかパスがつながらない状況を一撃で打破した。前半31分、MF松尾のクロスに伊藤が頭で合わせた。1度弾んだボールは、ゴールへと吸い込まれた。

ワンチャンスをものにすると、流れは浦和に傾いた。前半41分、またしても伊藤が決めた。今度はMF岩尾の左CKに、左足でボレーシュート。試合を優位に進める2点目に、チームメートから祝福を受けた。

後半も流れを手放さず、41分には途中出場のMF江坂がダメ押しの3点目。アウェーで1-1の引き分けだった第1戦から、快勝で準決勝進出を決めた。

この日は埼スタで初めて行われた、声出し応援の実証実験試合だった。約2年半ぶりに、チャント(応援歌)の大合唱が響いた。

浦和で生まれ育った伊藤は、小さい頃からよく浦和の試合を見に行っていた。昨季入団した伊藤にとって、ピッチで初めて受ける大声援。サポーターの熱を身をもって知る男が、声援を力に変えた。