J2で2位アルビレックス新潟は今日20日、ホームで5位ロアッソ熊本と対戦する。19日は聖籠町で軽めの調整を行った。2-0で勝った前節14日のアウェー栃木戦でDFとしてはクラブ史上初めて3戦連続得点を記録した藤原奏哉(26)が波に乗っている。熊本・ルーテル学院高3年時にはFWとしてゴールに迫った男が、チャンスの気配を嗅ぎ取り、“神出鬼没”な動きで熊本守備ラインをかき乱す。

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サイドバックの点取り屋がチームを連勝に導く。5月4日の金沢戦から18試合連続フル出場中の藤原は、熊本戦の前日練習でも疲れた様子は見せず、笑顔でボールを追い続けた。新潟では15年のFWラファエル・シルバ以来7年ぶりとなる4試合連続得点の期待が高まるが、記録よりチームの勝利貢献を優先させる。ただ、「ゴールへ向かう、いい感覚は残っている。チャンスがあれば狙いたい」とニヤリと笑う。

豊富な運動量でピッチを駆け回る。14日の栃木戦では1-0の後半41分に自陣から相手ゴール前に走り込むと、最後は右足ダイレクトでネットを揺らした。「練習でも、あんなシュートを打ったことがない(笑い)。連続ゴールはたまたま」とクラブ初となるDF選手の3戦連続弾を謙虚に振り返った。

出身のレオーネ山口U-12ではFWを経験。同U-15と進学したルーテル学院高では主に中盤でプレーしたが、高3年冬の選手権は1トップの位置で攻撃をけん引した。「前からがむしゃらに行くタイプ。ヘディングの強さを生かしていた」。阪南大(大阪)を経て、プロ入りし5年目の今季はここまで4得点と自身のシーズン最多得点記録を更新中で、セットプレーからは頭で2得点を挙げている。「ポジション的に少ないが決定機は確実にものにしたい。ゴール前では『大人』にならないと」と話す。

熊本とは今季3度目の対戦。4月3日のリーグ戦は2-1で勝利も、6月1日のホームでの天皇杯2回戦では藤原に出場機会はなかったが1-4と大敗している。「サイドに特長を持った選手がいるので、しっかり抑え、攻撃では全員の質で上回りたい」と必勝を誓った。【小林忠】

◆連続得点 藤原の3戦連続ゴールは新潟の選手ではJ1、J2通じて20人(33度目)で、DFではクラブ初だった。4戦連続となれば新潟では15年のFWラファエル・シルバ以来7年ぶりで、日本人選手では01年のMF鈴木慎吾以来2人目となる。