静岡ユースが番狂わせを起こした。PK戦の末、4-3でU-18日本代表を退けた。1点を追う後半ロスタイム、FW斉藤柚樹(清水ユース3年)がPKを決め、同点で後半終了。PK戦ではGK石坂地央(ちひろ、藤枝東3年)が連続セーブを見せた。日本代表を破るのは2017年以来5年ぶりとなった。

守護神の気持ちの強さと冷静さが、勝利を呼び込んだ。石坂はPK戦に突入すると、燃えていた。「俺の方がうまいというところを見せたかった」。相手の3人目までは連続で決められたが、落ち着いていた。「1人目と2人目は先に体が動いてしまった。そこは修正できた」。4人目のキックを左手で止めると、5人目も左手1本でストップ。連続セーブで勝利に導き、歓喜の輪の中で雄たけびを上げた。

前半から相手にボールを握られた。だが、劣勢の展開は想定していた。斉藤柚は「押し込まれるのは分かっていた」。格上の相手に対し、辛抱強い守備で対抗。崩されても、最後は体を投げ出してゴールを守った。同点ゴールにつながったPK獲得の場面も、前線からの連動した守備で相手GKのパスミスを誘発。戦前からイメージしていた粘り勝ちだった。

11年ぶりとなる優勝へ望みをつなぎ、28日の最終戦はU-18ウルグアイ代表と対する。石坂は「この勢いのまま次も勝ちたい」とキッパリ。静岡の誇りを胸に、南米の雄も撃破する。【神谷亮磨】

◆石坂地央(いしざか・ちひろ)2004年(平16)8月17日生まれ。小学生時代はFCティアモ交野(大阪)でプレー。大阪・枚方四中に進み、Jリーグ京都の下部組織(U-15)に在籍。藤枝東高2年の昨年秋は、県選手権準優勝。大会の優秀GKに選ばれた。180センチ、70キロ。右利き。