全国高校サッカー選手権静岡県大会1次トーナメントが17日に開幕する。島田商は初戦で島田工と対戦(午前10時、島田工高グラウンド)。近隣校との「島田ダービー」を制して、目標の16強以上と決勝トーナメント進出を目指す。

島田商は勝利に飢えている。今季公式戦は所属する中部1部リーグも含めて、17戦1勝5分け11敗。今月10日の静岡市立とのリーグ戦で今季初勝利(7○1)を挙げるまで、1度も勝てなかった。主将のGK鈴木郁也(ふみや、3年)は「このままで終われない気持ちがずっとあった」。県総体後には、15人いた3年生が11人引退。残った4人の最上級生は同じ思いを持っている。

対する島田工は、同じ中部1部リーグに所属するライバル。コロナ禍前までは、平日に練習試合を行うことも頻繁にあった。互いに顔なじみの選手が多い。島田商MF前田陸(3年)は「小学校の(選抜)チームで同じだった選手も何人かいる。負けられない」と闘志をむき出しにする。

同校のスタイルは「全員攻撃・全員守備」。大石知宏監督も「個々の能力では相手が上。走力で上回りたい」と組織力で勝負する。勝てない苦しい時期を乗り越え、今季最後の公式戦に臨む。「笑って終わりたい」。3年生4人が口をそろえた思いを胸に、島田商がライバルに真っ向勝負する。【神谷亮磨】