神戸がFW大迫勇也(32)の2発で劇的な逆転勝利を収めた。残留直接対決となったホームG大阪戦を2-1で制し、2連勝で自動降格圏17位から残留圏13位に浮上。大迫が途中出場で1カ月ぶりに復帰し、1点を追う後半終了間際に2得点して逆転に導いた。16位G大阪は3戦未勝利で自動降格圏17位に後退。12位清水からG大阪まで、勝ち点3差内に6チームがひしめく大混戦が続く。

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崖っぷちの神戸を救ったのはエースだった。8月のACL以来、1カ月ぶりに復帰した大迫は、後半開始から登場。1点を追う同38分に同点PKを決め、同48分にはFW武藤からのパスを右足で正確にゴールへと蹴り込んだ。

「得点は常に求められているので、本当に取ることを考えていた。(1点目のPKを譲ってくれ、2点目もアシストしてくれた)ヨッチ(武藤)に感謝したい。2トップの関係で点が取れた」

8月18日のACL横浜戦で負傷し、復帰予定だった前節14日東京戦の前日には足首を捻挫。「やっと万全の体でできる。これから役に立てるように、もっと頑張りたい」。今季21試合6得点で復活をアピールした大迫は、今回の日本代表ドイツ遠征から外れたものの、W杯本番には十分に力になれることを証明した。

負ければ13年以来のJ2降格が現実味を帯びていた。今季初の逆転勝ちを収めた吉田監督は「やはり存在はハンパない。PKも勇気がいるし、ロスタイムであれだけ正確なシュート決められる。頼もしいエース」と絶賛した。大迫が復帰した神戸は残り5試合。MFイニエスタは欠場したままだが、総力戦で残留をつかむ。【横田和幸】