J2アルビレックス新潟の松橋力蔵監督(54)が今季最終ホーム町田戦から一夜明けた24日、聖籠町で総括会見を行った。冒頭ではデータや映像を使い、就任1年でチームに浸透させた戦術や成果を振り返った。03年以来2度目のJ2優勝での来季J1復帰を決めた今季は25勝9分け8敗で勝ち点84を獲得。73得点35失点はともにリーグトップの成績を残した。来季続投は「協議中」としたが、次のステージでも攻撃的スタイルを貫くことが重要と話した。

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-攻撃的スタイルを貫いての優勝

松橋監督(以下、監督) 昨季からGKを使った攻撃のニュアンスを少し変えた。ただボールを回すだけではなく、どこに優位性を作り出すか。ゴールに到達するスピードが上がった。

-得点数が昨季の61点から73点に増えた

監督 ボール保持と速攻の使い分けが良くなった。ボール1個分あればパスは通る。日々の練習を通し、組織的でありながら本能的、反射的に前を向いてプレーできた。

-新型ウイルス感染症の影響で十分な練習時間が取れずに開幕戦を迎えたが不安はなかったか

監督 失われた時間を取り戻すという感覚はなく、焦りもなかった。

-GK以外の全選手をローテーション起用したが構想はいつ頃から

監督 全選手を戦力にするために実戦で起用することは最初から考えていた。ただ、ローテーションだけになると選手のモチベーションに関わる。相手の戦術もあるが、選手同士を競わせたり調子を見ながら起用した。

-連敗が一度もなかったがチームマネジメントで工夫した部分は

監督 勝ち負けがある世界。試合前に連敗、ここで負けたら…という言い方はしない。特別なことはあまりない。

-コーチとして横浜マリノスでJ1優勝の経験があるがJ1のイメージは

監督 J1は選手を成長させてくれるステージ。相手をリスペクトしすぎることはない。のみ込まれず、チーム、個人として力を発揮することが重要。

-J1で戦う上で、現状の課題は

監督 今のスタイルを貫きながらゴールに到達するスピードをもっと上げる必要がある。我々はこのスタイルでJ2を乗り越えた。ただ、サッカーは勝負事。理念は捨てず、でも手法は柔軟に。

-監督業初挑戦を振り返って

監督 いい選手、クラブ、サポーターに出会えた。感謝しかない。来季続投については協議中です。

-新潟生活2年。楽しみは

監督 スタッフ中心の「ちゃりんこ部」がある。ロードバイクで加治川周辺を走ることが多い。

-今季最終戦後にボールを持っていたが

監督 堀米主将が試合球を持って来てくれた。実は監督初勝利となった甲府戦の試合球も千葉からサプライズでもらっている。家に飾ります。