浜名は延長戦の末、1-0で今夏県総体覇者の磐田東を下し、3年連続でベスト8進出を決めた。延長前半に途中出場のMF竹内拓空(たく、3年)が右足ミドルで決勝点。体調不良で入院している仲間を勇気づける1勝を挙げた。

浜名の切り札が値千金の1発をねじ込んだ。0-0のまま延長戦に突入。後半途中からピッチに立った竹内は少ないチャンスに懸けていた。延長前半1分。相手のクリアボールをトラップすると、右足を振り抜いた。「思い切り打った」という強烈なミドルは相手選手に当たってゴール右隅へ。得点後はベンチメンバーも入り交じった歓喜の輪の中心で雄たけびを上げた。

負けられない理由があった。22日の1次トーナメント(T)4回戦後に主力のDF北出悠馬(3年)が体調不良を訴えて入院。今大会中の復帰は厳しいというが、内藤康貴監督(43)は登録メンバーから外さなかった。北出がつけていた背番号「5」のユニホームもベンチに持ち込んで戦っている。DF河合大樹主将(3年)は「北出が戻ってくるまで絶対に負けられない」。無念の離脱となった仲間の思いも背負って勝利をつかんだ。

今季公式戦では磐田東に2勝1分け。同じ西部地区のライバルを退けて8強に駒を進めた。チームは1次T2試合を含めて3試合連続完封勝利。勢いを藤枝明誠との準々決勝にぶつける。竹内は「北出の分までという思いで団結している。次も勝ちます」と力強く言い切った。【神谷亮磨】

■磐田東、合言葉もかなわず

磐田東は全国大会「出場」の夢が絶たれた。延長戦も含めた100分間で13本のシュートを放つも、無得点だった。6月の県総体では17年ぶりに優勝したが、全国総体直前にチーム内でコロナ陽性者が出たため、出場を辞退。「もう1度全国へ」を合言葉に挑んだが、かなわなかった。ただ、県Aリーグでは優勝を決め、12月中旬のU-18プリンスリーグ東海参入戦出場を決めている。山田智章監督(57)は「目標はプリンス昇格。選手たちを信じてやっていきたい」と気持ちを切り替えた。