全国高校女子サッカー選手権が30日、兵庫で開幕する。

北信越第1代表・開志学園JSCと、同第3代表・帝京長岡の2校が県勢初の全国優勝に挑む。10大会連続10度目の出場となる開志学園JSCは1回戦で尚志(東北2・福島)と対戦する。影山啓自監督(50)は就任1年目ながら選手のハートをつかみ、個々の特長を融合させながら勝負強いチームを作り上げた。強豪校との対戦が続くが、自分たちらしいサッカーを展開し、豪雪地・新潟に優勝旗を持ち帰る。

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開志学園JSCは気負わず、自然体で試合に挑む。就任1年目の影山監督は各選手の長所を引き出し、つなぎ合わせ、戦う集団に育て上げた。「うちは相手からしたら嫌なチームだと思う。どこか南米っぽい(笑い)。一戦必勝。平常心で臨みます」。

システムは4-2-3-1がベース。攻守両面で主体性を持って試合を支配することを理想とする。統率力のあるセンターバック荒川結香主将、展開力のあるボランチ面来佑夏、突破力のあるFW山本葉桜が並ぶ中央ラインを軸に、両ワイドのFW伊藤凜莉、FW坂ふみかがスピードを生かして敵陣に押し込む。過去2大会で3ゴールを決めている山本は「チャンスに必ず関わってゴールを重ねたい」と意気込む。

練習はユニーク。ウオーミングアップでは動物の動きを参考にした「アニマルウオーク」という上半身と下半身の連動性が高まる運動を取り入れる。ケガの予防に加え、パフォーマンス向上につながっているという影山監督は「体の可動域がどんどん広がっている」と手応えを話す。

初戦の相手、尚志とは今年、練習試合などで4度対戦し3勝1敗と勝ち越すが、油断はない。「特長などはつかんでいるが、それは向こうも同じ。違う相手と思って戦う」と荒川。勝ち上がれば2回戦以降も十文字(関東1・東京)や聖和学園(東北3・宮城)、常盤木学園(東北1・宮城)といった強豪校との対戦が待つ。影山監督は「先のことは考えず、今やるべきことをやるだけ。ただ、うちにだって優勝のチャンスはありますよ」とニヤリと笑った。【小林忠】