1月17日からのJ1アルビレックス新潟の高知・春野キャンプは終盤に入った。セレッソ大阪との開幕戦(18日、ヨドコウ)でメンバー入りを狙う高卒2年目のMF吉田陣平(19)は主戦場のボランチに加え、トップ下の位置で猛烈アピールを続ける。狭いエリアにあえて突っ込むメンタルとテクニックを駆使し、ポジション獲得へ名乗りを上げる。また1日、J2ブラウブリッツ秋田と非公開で練習試合(35分×3)を行い、1-2で敗れたが、FW鈴木孝司(33)が練習試合3戦連続得点と順調な仕上がりぶりを見せている。

新ポジションで自らの存在能力を引き出す。1月17日から始まった高知キャンプでの戦術練習や練習試合で吉田はボランチだけでなく、トップ下での起用を増やしている。「ミスはまだ多いがゴールに近い位置でプレーできて楽しい」とニヤリ。狭いスペースで複数人に囲まれても焦らずにドリブル、パスを使い分け、チャンスをつくり出す。「ボールを扱う部分やアイデアが自分の良さ。ガンガン、アピールしたい」と松橋力蔵監督(54)からの“赤丸”獲得に向けて意欲を見せる。

ライバルも手本にする。昨季途中に負傷離脱も9得点6アシストのMF高木善朗(30)、移籍1年目ながら9得点11アシストをマークした伊藤涼太郎(24)を参考に、自らとの違いを分析。「2人は常に危険な位置にいて、決定的な仕事をする。練習や動画からうまく盗んで自分のものにしたい」と持っている技術の生かし方を学んでいる。

ルーキーイヤーの昨季はJ2リーグ3試合に出場。「J1基準」を掲げたチームの練習で成長できている手応えはあったが、ピッチ上で勝利に貢献できない悔しさは残った。キャンプでは攻撃面の武器を磨くことと並行して守備の強度を上げることにも取り組む。「立ち位置と予測。奪いにいくタイミングの質をもっと上げたい」と話す。

高卒2年目は超一流への“分岐点”と意識する。競技は違うがプロ野球、ヤクルト村上宗隆内野手(23)、ロッテ佐々木朗希投手(21)は2年目で結果を残し、飛躍につなげた。「プロはピッチに立ってなんぼの世界。勝負の年。開幕戦から試合に出続けたい」と2年目のブレークに決意を示した。【小林忠】