今季からJ2の藤枝MYFCは鹿児島キャンプ5日目の2日、熊本県内でJ2ロアッソ熊本と練習試合(45分×3本)を行った。0-1で敗れたものの、攻守で互角以上の戦いを披露。昨季J2で4位の強敵に善戦した。

アグレッシブさでは負けていなかった。藤枝は1、2本目に現時点での主力が出場。開始約15分間続いた劣勢に耐えると、チームが目指す攻撃的スタイルで押し返した。MF久保藤次郎(23)は「いい(ボールの)運び方ができたと思う」。最終ラインから小気味よくパスをつなぎながら相手を翻弄(ほんろう)。複数人が絡んでゴールに迫るシーンを何度も作った。久保はエリア内で2度の決定機を演出。3本目で2度のチャンスに絡んだFW矢村健(25)も「チームがやろうとしていることは間違っていない」とうなずいた。

守備でも素早い切り替えからボールを奪い返し、効果的に攻撃につなげた。須藤大輔監督(45)も「去年4位の相手とがっぷり四つで戦えたことは自信になるはず」と強調。許した得点はGKのミスからで、崩されるシーンも少なかった。エリア内でシュートを放った決定機の数でも相手を圧倒。チャンスを決めきれずに勝てなかったことだけが課題だった。

キャンプ前にはJ2甲府と東京Vと練習試合を実施。キャンプ中も2日連続での試合や中2日での実戦を組みながら強化を図っている。須藤監督は「結果を出さなければいけない」としながらも、「我々が目指しているゲームモデルを遂行するという点ではいいゲームができた」と満足げだった。

試合内容と結果の両輪を求めながら、土台となるチームの戦い方を構築してきた。久保は「ベースはできている。今はもう1つ先のレベルに入ってきた」。開幕まで約2週間。仕上がりは順調だ。【神谷亮磨】