コンサドーレ札幌はホーム開幕戦で神戸に1-3で敗れ、今季初黒星を喫した。3点ビハインドの後半ロスタイム6分、MF金子拓郎(25)がPKで今季チーム初得点を挙げたが、最後まで流れを引き寄せられなかった。J1歴代最多タイ通算524試合目の指揮となったペトロビッチ監督(65)に白星を贈れなかった。

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今季のホーム開幕を待ちわびていたサポーターが札幌ドームに集まった。1万7078人。19年12月以来、4季ぶりに全席で声出し応援が可能になった。声援による後押しを受けたが、応えられなかった。ペトロビッチ監督は「たくさんのサポーターがスタジアムに駆けつけたなか、負けてしまったのは申し訳ない気持ちでいっぱい」と残念がった。

チームにアクシデントが発生した。前日24日の練習でフルメニューを消化していたGK菅野孝憲(38)が右ふくらはぎを負傷して出場回避。急きょGKク・ソンユン(28)が先発した。韓国での兵役義務のため20年に退団し、3季ぶりに復帰した背番号25は、赤黒の一員としては20年敵地での開幕柏戦以来の出場。だが、カムバックへの喜びよりも3失点による敗戦に「準備する時間が短かったと言うのはプロ選手としては言い訳。こういう結果でみんなに申し訳ない」と謝罪した。

試合開始早々の前半9分に元日本代表の大迫にゴールを許し、主導権を奪われた。それでも、最後まで諦めない姿勢で、反撃はした。金子がペナルティーエリア内で攻め込み、倒されてPKを獲得。自ら蹴って今季のチーム初ゴールを決めた。「サポーターの期待に応えるために、もっとやらないといけない」と前を向いた。

キャンプ地から一時、札幌に戻り、再び熊本に移動する。まだ続くキャンプ生活。シーズン序盤は疲労やストレスとの戦いも余儀なくされるが、サポーターに勝利を届けるために準備は怠らない。次節アウェー新潟戦はペトロビッチ監督にとってJ1通算525試合目の指揮となり、歴代単独最多に立つ。ク・ソンユンは「今日の試合の映像を見ながらもう1回修正したい」と気持ちを奮い立たせた。【保坂果那】

○…今季、東京Vから加入した21歳のDF馬場が、ホームデビュー戦でJ1初先発を果たした。ボランチとして起用され「こんなにたくさんの方の前でやるのは初めて。サポーターの歓声を聞いて鳥肌が立った」と感激。だが、ハーフタイムでの交代に「サポーターに勝利を届けたかった。ふがいない初スタメンになった」と悔しさをあらわにした。