今季からJ3アスルクラロ沼津の指揮を執る中山雅史監督(55)が、今季2戦目となるホーム開幕戦で初白星を挙げた。カターレ富山を2-1で下し、詰めかけた約2800人の観客を喜ばせた。「まずは勝ち点が取れてよかった。今日はゴールに襲いかかる選手の姿勢に頼もしさを感じた」と実感を込めた。

前半は、終始ボールを支配し主導権を握るがゴール前の決定力に苦しんだ。同ロスタイム1分にMF持井響太(24)がゴール前の縦パスに反応し、相手GKに倒されPKを獲得。自らゴール右隅に決めて先制点を挙げた。「(J初ゴールは)素直にうれしい。監督含め支えてくれている方々に感謝の気持ちを結果で表現できた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

さらに後半31分には主将のMF菅井拓也(31)が、味方シュートのこぼれ球を右足で押し込み追加点。2-0とした。「こぼれ球を信じて走り込んでよかった。練習で積み上げてきたものが出ました」と満足げ。その後、相手に1点を献上したが、チームはそのまま逃げ切った。指揮官からは「1点献上は今後の課題だが、今日は守りがよかった」。前半0本、後半4本に相手のシュートを抑え込んだDF陣の頑張りについても評価した。

今季チームスローガン「結束 熱く闘え!」を体現しているチームは次節(18日)、ホームで八戸と対する。持井は「地元サポーターの応援を力に変えて2連勝します」と決意を込めた。【山口昌久】

■菅井「気持ちのこもったゴール」

この日、チーム2点目を挙げた仙台市出身のMF菅井は「気持ちのこもったゴールでした」。前日11日で東日本大震災発生から12年。父勝己さん(享年47)を津波で亡くし自らも被災したアスリートは「毎年この時期に気持ちの整理をしてます。平常心で試合に臨んだが少し意識していたかも。この気持ちを大切にしたい」と心境を語った。今後もふるさとに向け、沼津の地からサッカーで元気を届ける。