今季リーグ戦が開幕し、2連覇を狙う明治大(明大)は2部から昇格してきた東海大と1-1で引き分けた。

明大はU-22日本代表の欧州遠征帰りのFW佐藤恵允(けいん、4年=実践学園)を先発起用。個々の能力の高さを生かし、前半から東海大陣内に押し込んだ。

左サイドのMF中村草太(3年=前橋育英)がドリブル突破からクロスを次々と送り、チャンスを演出した。CKは前半だけで7本を数えたが、東海大はGK佐藤史騎(4年=青森山田)、DF長江皓亮(4年=矢板中央)を中心に、鉄壁の守りで対応する。ゲームは矛(ほこ)・盾(たて)対決の様相となった。

そして前半44分、均衡が破れた。東海大はカウンターから明大陣内に押し込み、ゴール前の混戦から最後はFW安藤優人(3年=前橋育英)がこぼれ球を押し込んた。

それでも地力に勝る明大は慌てず、後半6分、CKからの2次攻撃でMF中村からのパスを、この日が誕生日のFW太田龍之介(4年=岡山U-18)が頭で押し込み、同点とした。

その後も明大がボールを握り、勝ち越し点を狙った。佐藤らが果敢にゴール前に迫るも、東海大DF陣は複数選手がしっかり付き、的確なシュートブロックで自由にさせなかった。

後半30分にはこぼれ球を拾った佐藤が強烈な右足シュートを放ったが、ゴール上へと外れた。結局、東海大の粘り強い守備が光り、1-1のまま試合終了。開幕戦は勝ち点1を分け合う形となった。

来年のパリ五輪出場を目指す佐藤は、欧州から帰国後、チーム練習はわずか1日でフル出場。U-22代表では同年代のドイツ代表、ベルギー代表を相手に2試合で2得点するなど高い決定力を誇ったが、この日は期待されたゴールは奪えなかった。

試合後は「(今季)最初の公式戦だったので強い気持ちでプレーしました。結果的に引き分けでしたが、次につながる引き分けだと思います」と話した。打ったシュートは1本のみ。決定的な場面だったが「力が入りました」と反省した。

令和の過去4大会中、3大会は明大が優勝。佐藤は昨年から10番を背負うだけとあって「昨年の自分を超えていく。後輩たちに自分の背中を見せて、結果を残して卒業したい」と強い意気込みを示した。

なお今季のリーグ戦は史上初の3部制となり、日程も従来の前期、後期と分かれておらず通年制で実施される。また、チームメンバーは各節の試合2日前に30人を予備登録し、うち20人がベンチ入りする方式となる。これだと多数の体調不良者が出た場合でも、その都度メンバーを組めるので日程への影響は出ない。それに伴い、背番号は流動的となる。