清水が2-0で栃木を下し、今季初の3連勝を飾った。前半にMF乾貴士(34)の2試合連続ゴールで先制。DF北爪健吾(30)の今季2点目で突き放すと、後半はリードを守り切った。チームは2016年以来7シーズンぶりの3試合連続完封勝利で、順位も8位に浮上した。磐田は2-3で最下位の徳島に敗れた。

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頼れるベテランが突破口を開いた。前半39分、乾は右クロスをトラップ。バウンドしたボールを右足で振り抜き、ゴール左上に突き刺した。「みんなが相手をひきつける動きをしてくれたのでフリーになれた。全員のゴールだと思う」。Jリーグでの2戦連発はC大阪在籍時の2011年以来、12年ぶり。経験豊富な元日本代表がもみくちゃにされる光景もチームの一体感を象徴していた。

たたみかけたことも大きかった。先制点からわずか5分後の44分。自陣からのロングパスに抜け出した北爪が右足ダイレクトで押し込んだ。4試合ぶり今季2点目で突き放し、「GKが出てきたのは分かっていた」と狙い通りの1発。後半は押し込まれる時間も続いたが、体を張った守備で死守。試合終盤にシステムを3バックに変更した秋葉忠宏監督(47)の采配も的中し、リードを守り切った。

3試合連続完封勝利は7年ぶり。乾は「どこかでサボってしまっていた守備の厳しさを監督が鍛え直してくれた」と、前体制からの変化を感じている。秋葉監督就任後は5戦負けなし(4勝1分け)。指揮官交代で目を覚ましたチームの本領が発揮され始めてきた。

次戦は中3日でアウェー徳島戦。秋葉監督は「必ず勝ち点3を取って、またホームに戻ってきたい」と力を込めた。4月の1カ月間で順位は19位から8位に浮上。苦しんだ清水に、待ちわびた春がようやく訪れた。【神谷亮磨】