J1で16位と低迷する柏レイソルのネルシーニョ監督(72)が退任し、後任として井原正巳ヘッドコーチ(55)が昇格することが16日、分かった。20日の神戸戦(三協F柏)から指揮を執る。この日、公開練習が予定されていたが急きょ非公開に変更されており、選手やスタッフにも監督交代が伝えられた模様だ。

ネルシーニョ監督は昨季の前半戦に快進撃を続けていたが、昨年8月14日の広島戦から10試合未勝利でシーズンを終えた。今季はMF高嶺朋樹、山田康太、DF立田悠悟ら力のある選手を補強。巻き返しが期待されたが、開幕から4連敗を含め6戦未勝利。初勝利は4月9日の鹿島戦だった。

13日には最下位の横浜FCにシュート21本を放ちながらも0-1で敗戦。今季は得点がリーグワーストの8。試合後はサポーターが居残り「降格しても監督は続けるのか」「どういう判断をするのか」とクラブに説明を求め、強化責任者の布部陽功GMが運営担当者とゴール裏に出向き、サポーターと話し合う一幕もあった。

低迷しているとはいえ、ネルシーニョ監督は柏の功労者でもある。09年夏にJ1で低迷していた柏の監督に就任すると、09年は降格したが、10年にJ2で優勝。翌11年にJ1を制覇し、史上初となるJ1昇格組の優勝の偉業を達成した。その後も天皇杯、ナビスコ杯(現ルヴァン杯)も制覇し、柏の黄金期を築いた。14年のシーズン終了後に退任し、19年からJ2に降格した柏の監督に再び就任。19年にJ2で優勝し昇格を果たすと20年はルヴァン杯で決勝に進出していた。

今後は井原新監督が指揮を執る。ネルシーニョ監督が起用したFW細谷真大らユース出身の若手も頭角を現している。課題の得点力改善へ、新体制での巻き返しが期待される。