東北学院が聖和学園に1-0で勝利し、23年ぶりの優勝と6年ぶりとなる全国高校総体出場に「王手」をかけた。MF鈴木太都(たいと、3年)が後半27分、今大会3ゴール目となる先制点をマーク。前年度決勝で同じ相手に0-2で負け、総体切符を逃がした悔しさを晴らし、決勝進出の喜びをかみしめた。決勝は今日5日、東北生活文化大高と対戦する。

 

一瞬の隙を見逃さなかった。後半27分、MF三村明日真(3年)の浮き球に相手GKが目測を誤って飛び出したところを、鈴木太がワンタッチのループシュート。ボールはポストに当たったものの吸い込まれ、待望の先制ゴール。チームメートを引き連れ、笑顔で全校応援の応援席へと走った。「絶対に自分も決めたいと思っていたので、気持ちで決めた」と胸を張った。

前半はシュート6本を浴びたが、守備陣が体を張ってしのぎ、0-0で折り返した。ハーフタイムに橋本俊一監督(51)は「聖和は後半、さらに強度が上がってくる。それに負けないように『こっちもいくぞ!』」と鼓舞。後半はシュートを2本に抑えるなど、無失点完封。鈴木太は「チームでは引かないで前から行こうと決めていて、前半からそれができていた。自分たちの攻撃もできていた」と振り返った。

昨年6月の県総体決勝はドリブルを警戒して、ディフェンスラインが下がってしまい、0-2で敗戦。同11月の県選手権決勝でも対戦。県総体の反省を生かしコンパクトな陣形で臨んだが、PK戦で敗れ2度とも聖和学園に全国切符を譲る形となった。この日は昨年の映像を見返してから、リベンジマッチに臨んだ。指揮官は「今日のゲームも『延長、PKまでいくかな』と思ったが、何とかその前に決めることができて良かった」と笑みを浮かべた。

「三度目の正直」となる1勝を挙げ、決勝までたどりついた。今大会は4試合で9得点、無失点。殊勲の鈴木太は「しっかり勝ち切って終わりたい」と語気を強めた。王者の称号は、もう目前だ。【相沢孔志】