セレッソ大阪の元日本代表DF進藤亮佑(27)が、24日の古巣札幌戦(札幌ド)に先発出場する可能性が高まった。札幌から21年に移籍した進藤は、3年目にして故郷の札幌に初めて乗り込む。過去2年はベンチ入りさえなかった。

21日の練習後、取材に応じた進藤は「34試合のうちの、ただの1試合というふうには思えない。開幕戦ぐらいの特別感はある。ただ、それでプレーが変わるわけではない。C大阪の勝利のために、自分のプレーを出す」と決意表明した。

札幌時代に日本代表入りしたセンターバックは、21年にC大阪入り。ただ、この2年はけがなどでチーム内の序列は下がり、試合に出ても残り数分や、経験の少ない左右のサイドバックなど、穴埋め的に起用されることが多かった。21年は9試合、22年は7試合出場と屈辱のシーズンを送った。

だが今季は、マテイヨニッチのけががあり、5月14日の京都戦からリーグ戦は5試合連続でフル出場中。今月18日のルヴァン杯1次リーグG大阪戦は内転筋痛で欠場したものの、本人は「まったく(痛みが)ゼロではないが、プレーに大きい影響はない」と、今週から練習に完全合流した。

身体能力の高さが武器の進藤は、相手エースとの1対1でも動じず、最近では京都パトリック、神戸大迫らを封じ込めてきた。

もう1つの魅力は、意外性抜群の攻撃力。出場機会の少ないC大阪でも21、22年とも2得点をマーク。札幌時代の19年は6得点するなど、セットプレーだけでなく、流れの中でも相手ゴール前に顔を出す。SNS上では「なぜそこに進藤」という言葉も流行した。

今季はまだ無得点。この日、古巣相手に「なぜそこに進藤」を出せるかを聞かれると、本人は「あるかもしれない」と即答し、「ただ、やはり自分の仕事は基本的には守備だし、9割5分、しっかり守備からというところと、チャンスがあれば自分の特長を出していきたい」と、攻守ともに貢献することを誓った。

C大阪の札幌戦は最近4試合、1分け3敗と未勝利が続く。移籍後、古巣戦5試合のうち、進藤が出場したのはホームでの2試合だけだ。

初のアウェー札幌戦に臨む元日本代表は「サポーターの応援も、J1では有数の魅力的なスタジアム」と、古巣をリスペクトしつつ「コンディションも、試合を重ねるごとによくなっている。いいプレーができる自信ある」と意気込んだ。

前半戦を9勝2分け6敗の6位で折り返したC大阪は、ここにきてマテイヨニッチも完全復帰し、小菊監督は「選手はすごく、成長しながら安定している。(先発の決定は)難しい判断になる」と、充実したセンターバック陣にうれしい悩みを打ち明ける。

その中で後半戦の初戦の最終ラインは、J1通算124試合14得点の進藤に託すことになりそうだ。