日本フットボールリーグ(JFL)参戦1年目で元日本代表FW高原直泰監督(44)が率いる沖縄SVは、最下位の15位でリーグ戦を終えた。

リーグ最終戦となる東京武蔵野ユナイテッドFC戦に、選手との「二刀流」として活動する高原は背番号10を背負って先発出場。今季限りで現役引退し、クラブの代表取締役、監督に専念することが決まっているが、44歳とは思えない献身的な動きを披露。最前線にいながら、ピンチとなればゴール前まで戻り、得意のヘディングでクリアするなど攻守に渡ってピッチを駆けずり回った。

前半はシュートチャンスはなく、見せ場もなく終えたが、後半にストライカーとして得点機を2度迎えた。

後半31分、右クロスをボックス内で待ち構え、大きくジャンプしてのヘディングシュート。これはGKにキャッチされた。さらに後半35分には左サイドからゴール前へクロスが送られる。これに中央から走り込んでフリーとなり、右足ボレーで狙ったが、ボールはゴール上へと外れた。ピッチに大の字になり、悔しがった。

試合は後半45分、東京武蔵野が右サイドからMF鳥居がヘディングでゴール前へ送ったボールを、MF小林に押し込まれて失点。0-1と敗れた。

そして気になる二刀流ぶりだが、高原監督はフル出場しながらベンチに向かって途中交代のタイミングを伝えるなど(5選手を交代)、ピッチに立ちながらも監督業をしっかりとこなしていた。

この結果、沖縄SVは勝ち点26(7勝5分け16敗。総得点18、総失点38の得失点差は-20)の最下位で終了。12月3日に行われるJFL・地域入れ替え戦(沖縄・タピック県総ひやごんスタジアム)へ回り、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2位のVONDS市原FC(千葉)と対戦することになった。

沖縄SVは引き分けではJFL残留とならず、同点の場合は延長、さらにはPK戦も戦うことになる。Jリーグ昇格プレーオフなら引き分けでもOKとなるだけに、ホーム開催とはいえ、上位リーグの優位性は少ない。それでも高原監督は淡々と「ルールは受け入れるだけ」。そして「あと1試合ある。我々の歩みを止めないためにも(JFLに)残る必要がある。1週間いい準備をしたい」と誓った。