J1ジュビロ磐田がJクラブとの今季初実戦で快勝した。

J2鹿児島とのプレシーズンマッチで4-0。前半はMF鹿沼直生(26)がセットプレーから2得点を挙げると、後半はMF金子翔太(28)とMF上原力也(27)が追加点。新たに15選手が加入した今季のチームで、昨季から所属している既存選手がアピールに成功した。

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簡単にポジションを譲るわけにはいかない。磐田は今季2度目となる実戦で完封勝利。初めてJクラブと対戦した一戦では「既存組」が意地を見せた。前半4分、左CKから鹿沼がヘディングで先制点。同37分にも右CKを頭で合わせ、自身2点目をマークした。鹿沼は「両方ともいいボールがきたのでタイミングを合わせるだけだった。目に見える数字を残せたことはよかった」とうなずいた。

今季は新たに15選手が加入。昨季から約半数のメンバーが入れ替わった。今季初実戦だった1月31日の東海大熊本戦では5得点中4得点を新加入選手が挙げていた。この日は後半に金子が流れの中からネットを揺らし、上原もFKで追加点。金子は「監督からも『数字を残せ』と言われていたので、強引にでもいく場面があった」とゴールにこだわった。

横内昭展監督(56)は選手同士の組み合わせを模索しながら起用している。現時点でスタメンが確約されている選手はいない。鹿沼は「誰が出るかまだ分からないけれど、個人としてアピールしていきたい」。鹿児島キャンプでの実戦はあと2試合。昨季からプレーする選手の活躍でアピール合戦はさらに熱くなってきた。

開幕までは約3週間。金子は「ただいいプレーをするだけではだめ。違いを見せていきたい」と力を込めた。チームは新しく生まれ変わったが、戦い方のベースは大きく変わらない。「横内イズム」を知る既存選手の奮起と、新戦力との融合でチームはさらに進化する。【神谷亮磨】

○…ケガで調整が遅れていた昨季の主力が戻ってきた。プレシーズンマッチ後には練習試合(45分)を実施。オフに右ひざの手術を行ったDF松原后(27)と、左もも裏の肉離れで別メニュー調整していたFWジャーメイン良(28)が途中出場した。約20分間出場し、持ち味を発揮。松原は得点の起点となる左クロスを上げ、ジャーメインも積極的なミドルでゴールを狙った。ともに実戦復帰で復調をアピール。指揮官は「今日は時間を制限させてやった。リバウンドなくやれていたと思う」と評価した。