ガンバ大阪は5日、大阪・吹田市内の練習場で公開練習を行った。

雨の中で約1時間、ボール回しや3対3+GKのゲームなどのメニューをこなした中で、今季新加入の元日本代表DF中谷進之介(27)が大きな声でチームを盛り上げる姿が目立っていた。

5年連続30試合以上の出場を誇る国内屈指のセンターバック(CB)は、今季名古屋グランパスから加入。名古屋の堅守を支えた男は、昨季リーグワーストの61失点を喫したG大阪ディフェンスを立て直すキーマンとして注目される。

中谷は対戦相手としてG大阪の守備を見て感じていた課題が、今季改善に向かっていると実感しているという。

「(G大阪に)入る前に思ったのは、もう少しコンパクトに戦えるのがいいのかなということ。今年は監督は『コンパクトに』と口酸っぱく言ってるので、それが改善されれば、守備はすごくいいものができるんじゃないかなとは思っている」

攻守の切り替えが強調され、トレーニングでもダニエル・ポヤトス監督(45)から「キリカエ、ハヤク!ゴーゴー!」と声の飛ぶチーム作りには、確かな手応えを感じている。

最終ラインを高く保つことを狙うチームにおいて、ポヤトス監督はその中心選手として、中谷を指名。新加入ながらさっそく副主将にも任命された中谷は「高いラインは監督から要求されてるところで、そこはリーダーシップ取ってやってくれと言われている」。練習から大きな声で指示を出す姿からは、ディフェンスリーダーとしての自覚がうかがえる。

ボールを丁寧につなぐ柏レイソルの下部組織育ちで、ビルドアップ能力にも定評がある中谷には、攻撃面での貢献にも期待が高まる。その点には中谷も「久しぶりに自分たちがボールを持って前進していくチームに来てるので、すごくやりがいがあるし、感覚を思い出してるような感じ」。より持ち味を発揮できる状況を楽しみにしているようで、この部分でもポヤトス監督の考えを体現する重要なプレーヤーとなりそうだ。

22年W杯カタール大会出場は逃したが、同アジア2次予選に出場するなど、国際Aマッチ5試合の出場歴を持つ中谷は、18年途中から所属し「居心地が良すぎた」という名古屋をあえて出て、成長の場所を求めた。並々ならぬ覚悟で決めた移籍先でのプレーは、日本代表復帰にもつながると意気込む。

「自分が(G大阪を)上に押し上げることができれば、そういう評価(代表復帰)にもつながってくると思う。まずはガンバでどれだけ失点を減らして上位に食い込めるか」

今季G大阪が目指す「Aクラス(7位以上)」を達成するには、新天地でも存在感を示すCBの存在が欠かせないものになる。【永田淳】