ガンバ大阪は5日、大阪・吹田市内の練習場で公開練習を行った。

練習の最後に行われた3対3+GKのゲームは、攻守の切り替えが重視され、選手にとってハードなものになった。その中で新加入MF山田康太(24)は、最後まで笑顔で走り続けていた。

「今日はコンディションを上げるところに特化したメニューだったので、あれをみんなが本当にきつそうにやるのか、元気良くみんなで練習を乗り切っていくのかでは変わってくると思うので」。寒い雨の中でも金髪をなびかせて走った山田は、その考え通りにチームを盛り上げた。

横浜F・マリノスユースから18年にトップ昇格を果たし、19年から名古屋グランパス、水戸ホーリーホック、モンテディオ山形、柏レイソルとチームを渡り歩いて力を証明してきたテクニシャン。この日の練習でも「きつい練習でマークの受け渡しがあいまいになる中で、意外性のあるボールは相手にとって対処しづらいのかなっていう感覚あった」と浮き球のパスを交えながら、何度も決定的なパスを供給した。

タフさも持ち合わせる技巧派で、ドリブルやパスで決定的な仕事ができる選手だが、G大阪に来てからは、ボールの受け方の違いを学んでいるという。

「今までは自分がボールもらうために、相手の嫌なところでいつ受けられるかとか、いかにスピードアップするかを考えていたけど、今は監督から『動きすぎないで、そのポジションで待っているように』と言われることも。そういった独特な表現があるのはすごく新鮮」

今はよりスムーズにイメージを実行できるよう、試行錯誤しながら経験を重ねている段階。「自分のイメージと違うこと求められたりして、選手としての幅も広がるんじゃないか」という今回の移籍に期待した通りの状況に、充実した表情を見せた。

確立したとも言えるポジションを捨て、強い決意で移籍を選択した新シーズンに向けて「すごく強い気持ちを持って来た。ガンバがここ数年結果出せていないのは自分も理解している。その力になりたい」。さらなる進化を遂げようとする24歳から、目が離せない。【永田淳】