J1ジュビロ磐田が順調な仕上がりを見せている。7日は韓国1部・大田ハナシチズンと練習試合(45分×4本)を行い、3-1で勝利した。

主力と控えを固定しない中でも球際などの強度が高い相手に対し、組織的な守備を披露。横内昭展監督(56)は「守備は意識高くやってくれた。いいシーンも多く、手応えはある」と納得の表情を見せた。

集中力は180分間継続した。許した1失点は2本目の15分にロングスローから押し込まれただけ。流れの中からのピンチはほとんどなかった。前線からの連動したプレスが機能。自陣に相手を引き込んでからの守備も効果的だった。キャンプではセットプレーの守備も入念に確認。先制点を挙げたDFリカルド・グラッサ(26)も「練習から集中している」と、守備の完成度は高まっている。

今季はチームの進捗(しんちょく)状況も前倒しで進めている。戦い方のベースは昨季から大きく変わらない。指揮官は「新しい選手の理解度も高い」。現状の課題はボール奪取からの攻撃の精度。1得点1アシストでアピールしたMF藤川虎太朗(25)は「あと1回試合があるので修正していきたい」と強調した。

昨年の鹿児島キャンプでも横内監督はメンバーを固定せずにチーム作りを進めてきた。今年も各ポジションでの競争意識を促しながらテストしている。キャンプ最終日の10日はJ2清水との「静岡ダービー」。同監督は「いいゲームをしたい」と力を込めた。宿敵との腕試しで現状の力を確かめる。【神谷亮磨】