期待の新人が今季初陣で主役の座を狙っている。

J2藤枝MYFCは24日の開幕戦でホームに長崎を迎える。拓大から加入した大卒ルーキーのMF浅倉廉(22)はトップ下での先発が濃厚。開幕戦先発はクラブの新人では22年のMF久保藤次郎(24、J1名古屋)とMF榎本啓吾(24)以来2年ぶりとなる。浅倉は昨季、特別指定選手としてリーグ戦5試合出場するも、無得点だった。狙うのは今季のチーム1号で、「結果にこだわりたい」と決意を口にする。

武器は切れ味鋭いドリブル。狭いエリアでも巧みなステップでかいくぐり、ゴールに迫る。静岡学園高時代に培った技術が生きているという。高校3年時には全国選手権で優勝。大舞台での試合を経験し、「大勢の人が見ている中でのプレーは気持ちがよかった。より活躍したいという思いが強くなった」。拓大では足元の技術をさらに磨き、守備力も強化。一回り成長し、高校時代を過ごした静岡に戻ってきた。

クラブの次代を担っていく覚悟もある。昨季、背番号「10」をつけていたMF横山暁之(26)がJ2千葉に完全移籍。同じポジションを任される浅倉は「(横山さんは)超えなければいけない存在」。ルーキーイヤーで自身が背負う番号は「8」。高校と大学時代につけたなじみのあるナンバーを志願し、本職のトップ下で勝負する。

須藤大輔監督(46)は「持っている力を考えればもっとできる」とさらなる奮起に期待している。プロ1年目の目標は「ゴールとアシストで10得点以上に絡むこと」。名刺代わりのプロ初ゴールでチームを開幕白星に導く。【神谷亮磨】

○…期待の新加入選手はJ1札幌から期限付き移籍で加入したFW中島大嘉(21)だ。藤枝への移籍は「自分の人生を変えるつもりできた」。188センチの大型ストライカーで、強さとスピードが自身の武器。粗削りだったプレースタイルも須藤監督の熱心な指導を受け、洗練されつつある。指揮官も「スケールが違う。何とか藤枝で化けさせたい」と期待は大きい。11日のJ3福島との練習試合でも2得点を挙げ、アピールに成功した。長崎戦でのメンバー入りは確実で、切り札的存在として出番を待つことになりそうだ。

○…指揮官はチームの仕上がりぶりに手応えを示した。22日は午前練習を実施。強雨の影響で短時間での調整となったが、実戦メニューでは本番さながらの緊張感だった。始動からハードなメニューを課してきた須藤監督は「やりたいことは全てできた」。鹿児島キャンプ終盤にはチームの大枠も固まっていたという。「この2週間は微調整だけだった」と細部を詰めてきた。長崎の特徴も分析し、入念な準備を進めている。昨季は1勝1敗。ホームでの対戦時はボールを保持しながら攻める展開で、「去年のホームみたい試合が理想的」とイメージした。