ジュビロ磐田は開幕黒星発進となった。昨季王者のヴィッセル神戸に0-2で完封負け。前半早々にセットプレーで先制を許すと、後半序盤にもカウンターから追加点を献上した。相手の圧力に屈し、攻撃陣も無得点。スコア以上の差を見せつけられ、J1復帰初戦は厳しい船出となった。J2藤枝MYFCは0-0でV・ファーレン長崎とスコアレスドロー。クラブ最多入場者数を更新した一戦で開幕白星を逃した。

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壁は高かった。2季ぶりのJ1となった磐田の初陣は完封負け。連覇を狙う格上との真剣勝負で実力差を見せつけられた。横内昭展監督(56)は「点を取れなかったし、シュートも少ない。完敗だと思っている」。試合後は険しい表情のまま会見場を後にした。

ゲームプランが早々に崩れた。チームが理想に掲げた展開は前半無失点。だが、同5分に右CKのこぼれ球を押し込まれた。その後も相手の素早い出足に苦しめられ、自陣に押し込まれる時間が続いた。同35分にはFWジャーメイン良(28)がエリア外から左足ミドル。クロスバーに当たって外れた1本がこの日最大の決定機だった。

後半4分にはカウンターから追加点を許した。ブラジル人FWペイショット(28)やMF中村駿(30)ら新加入選手を入れて打開策を探るも、最後までゴールが遠かった。J2熊本から加入したMF平川怜(23)は前半45分間の出場で交代。ほろ苦い磐田でのデビュー戦となり、「相手の圧力や攻撃の質に後手になってしまった」と唇をかんだ。

ただ、指揮官は悲観しなかった。「全てがだめだったとは思っていない」。後半は両サイドを起点とした攻撃でゴール前に迫るシーンは作った。14年ぶりのJリーグ復帰となったGK川島永嗣(40)も「後半いい時間帯はあったし、公式戦でしか感じられないものもあった」と顔を上げる。J1屈指の強度と速さを開幕戦で体感できたことがこの日の収穫。次戦は難敵川崎Fが相手。悔しい敗戦を教訓にして、2季ぶりのJ1白星をつかんでみせる。【神谷亮磨】

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