セレッソ大阪の新ブラジル人、FWヴィトール・ブエノ(29)が9日の東京ヴェルディ戦(ヨドコウ)で来日初先発する可能性が出てきた。開幕2戦で故障者が相次いでおり、本職のトップ下やインサイドハーフではない、センターFWでの出場も期待されている。

今年1月、母国の名門アトレチコ・パラナエンセから移籍金2億円(推定)で新加入した大物アタッカーは、3日の社会人中国リーグの福山シティFCとの練習試合にフル出場。PKによる1得点を含む2ゴールに絡むなど、インサイドハーフの位置で3-1の勝利に貢献し、取材に応じた。

「まだ(次節のことは)何も聞いていないが、常に準備している。連係面もだいぶ慣れてきたし、さらに積み上げないといけない。それができれば、100%の状態になる」

同じブラジル人のFWレオ・セアラ、MFルーカス・フェルナンデスが2日の鹿島戦で負傷交代。東京V戦の欠場は決定的で、小菊昭雄監督(48)は「(ブエノをセンターFWで使う)選択肢はある。練習ではやっている」と明言した。

2月24日のFC東京との開幕戦には途中出場し、鹿島戦はサブで出場機会はなかったブエノは、シュート力はもちろん、185センチの長身ながら身のこなしが柔らかく、高い技術でスルーパスの供給やFK、CKも得意だ。

この日は、2月中旬に遅れてブラジルから来日したマユミ夫人を練習場で仲間に紹介。3年前に結婚した夫人は、3歳から8歳まで滋賀・長浜市で育ったという日系4世。カタコトの日本語で「初めまして、マユミです。日本語はちょっと(だけ)」とあいさつする夫人の横で、ブエノも笑顔を見せた。

開幕2戦ともドローで14位と出遅れたC大阪は、今季こそ初のリーグ優勝が目標。背番号55の新助っ人は「まだ2試合しかやっていない。始まったばかりで、これからチームがはまってくると思う。時間がかかっても前向きに考えたい」と、自らとチームへ揺るぎない自信を示した。

◆ヴィトール・ブエノ 1994年9月5日、ブラジル生まれ。母国ボタフォゴ、サントス、ウクライナのクラブを経て、再び母国のサンパウロ、22年2月にアトレチコ・パラナエンセへ移籍。プレースキック、ミドル、ロングシュートが得意。185センチ、78キロ、右利き。