J1アルビレックス新潟は9日、ホーム開幕戦で名古屋と対戦する。試合前日の8日はクラブハウスのある聖籠町で約1時間半の最終調整を行った。J2いわきから今季加入のMF宮本英治(25)は先発起用が予想される。ピッチ中央で相手から激しくボールを奪い、決定機では一気にゴール前に駆け上がるボランチが、チームに勝ち点3をもたらす。

中盤の底から積極的に攻撃に加わり、名古屋守備陣を揺さぶる。冒頭のみ報道陣に公開された8日の練習。宮本は時折、白い歯を見せながらボールを追い、コンディションの良さをアピールした。「名古屋はタレントがそろっているが、勝って自信にしたいです」。

J1デビュー戦となった2月24日鳥栖との開幕戦(2-1)はフル出場。広範囲を動き回って守備を助け、前半ロスタイムにはFW谷口の同点弾をアシストするなど攻守で逆転勝利に貢献した。だが、2日G大阪戦(0-1)はベンチ入りも出番なしに終わった。「いい選手がそろっている中、11人に選ばれることはやっぱり難しい」と話すが、「ホーム開幕戦でピッチに立ってやるという気持ちで練習に臨んだ。攻守で自分の良さを出したい」と勝利貢献を誓う。

アウェー開幕2連戦は1勝1敗。前節G大阪戦でチームは機動力を発揮できずシュート3本に抑え込まれただけに、今節は敵陣でのプレータイムを長くして優位にゲームを進め、昨季2敗の天敵を破って勢いづきたい。キックオフ予定の午後2時の天候は雪予報だが、前売りチケットは約2万4000枚が売れており、「たくさんの人の前でプレーするのはすごい楽しみ。一緒に勝利を分かち合いたい」と新潟サポーターの後押しを得られることを期待する。

国士舘大卒業後の21年に当時JFLのいわきに加入。チームとともにJ3、J2とステップアップし、今季J1新潟に個人昇格した。初のホーム戦に心躍らせる攻守の要は、「テンポよくボールを動かして相手の隙を作りたい。チャンスがあればゴールも狙っていきます」。ピッチの中央にいる宮本が、攻撃のバリエーションを引き出す。【小林忠】

○…開幕戦で脳振とうにより負傷退場し、前節G大阪戦を欠場したDF舞行龍ジェームズ(35)が先発復帰する見込み。攻撃の起点となるパスを配球するセンターバックは、「どこに優位性があるか。俺らのパスで決まるんで、そこの入り口を正しく選べれば確実にチャンスを作れると思う」と攻略をイメージ。開幕2連敗中の名古屋は攻撃陣が無得点と沈黙を続けるが、警戒心を強める。「個で打開できる選手がいる。カウンターのリスク管理も徹底し、0失点で抑えたい」と話した。