J3昇格を狙うクリアソン新宿がホームで沖縄SVに0-4と敗れ、手痛い幕開けとなった。

立ち上がりから攻勢に出た新宿だったが、相手ゴール前に押し込み、再三のチャンスをつくるもゴールを奪えず。次第に流れは沖縄SVに傾いた。前半33分にMF荒井秀賀に自ら蹴ったPKのこぼれ球を押し込まれて均衡を破られると、3分後にはMF池高暢希に追加点を奪われた。

後半に反撃を試み、最前線に197センチの長身FW赤井シャロッド裕貴を投入するなど選手交代をその糸口としたが、沖縄SVの堅い守備を崩せない。逆にカウンターを食らうという負のスパイラルに陥ると、池高、途中出場の伊集院雷にもゴールを許し、まさかの0-4という大敗を喫した。

東京・駒沢陸上は3585人の観衆を集めただけに、ホームで多くのサポーターに勝利を届けたかった北嶋秀朗監督(45)は沈痛の面持ち。元日本代表FWは会見で「たくさんの方が応援にかけつけてくれた中で、この結果は受け入れがたい。得点差の試合内容ではなかった。サッカーは難しい」と悔やんだ。

沖縄SVの左サイドバック、安在和樹が繰り出す左足のロングパスが1つのポイントとなっていたが、そこを消すことができなかったことが勝負に影響した。

北嶋監督は「勝負の肝、綾をどうやってこっちに持ってこられるか。0-4という結果を昇華して、次につなげなければならない。我々のアイデンティティーをブラしたらいけない」と自らに言い聞かせるように話した。

沖縄SVを指揮したのは、96年度の全国選手権を制した千葉・市船橋高時代の同期で、前監督の高原直泰代表の後を継ぐ小野木玲監督。ともに監督としては初陣同士の対戦だった。

「高校3年間一緒で、クラスもスポーツ科で一緒だった。選手権でも一緒に優勝した仲間。市船サッカー部が指導者に多い中で、こういう舞台で戦えるのは誇り。アウェーではやり返したい」と巻き返しを誓っていた。