若い選手に適正なプレー環境を確保し、日本サッカー全体の可能性を最大化することを目的として創設されたU-21 Jリーグが22日に開幕する。

新リーグスタートを前に、ヴィッセル神戸とガンバ大阪の指揮官が取材に応じ、今大会の意義や狙い、取り組み方について語った。

U-21神戸を率いるのは、16年リオ五輪でU-23日本代表を率いた手倉森誠監督(58)。W杯北中米大会の期間中にオファーを受け「この世代の選手たちを底上げなくして、最高の景色を見に行けないんじゃないか」と抱いていた思いに響いたことで就任を決めた。経験豊富な指導者は同年代の育成に重要なものとして「一番はメンタル」と挙げた。「手厚くなければやれないっていう年代じゃない。そこはしっかり分からせたい」と話し、トップチームとは違った過酷な移動なども経験させるつもり。「トレーニング以外の部分でも教え甲斐のある年代」という選手たちには「一流を目指すため、サッカー以外の人間教育的なところもしていかなきゃいけない」と、さまざまな方向から刺激を加えていく考えを示した。

U-21G大阪は、同ユース出身で、現役引退後に下部組織の指導に携わってきた町中大輔監督(46)が指揮を執る。ユース監督として選手を輩出してきた指揮官は「以前にU-23チームの活動があったが、そこで活躍した選手が代表で活躍したりしている。非常に重要な年代」とポストユース年代の重要性を認識し、新たなチャレンジを開始。G大阪ユースをともに指導したこともあるトップチームの明神智和監督との連係の良さも生かして、育成と強化の両輪を回していくことになる。

U-21リーグへの取り組み方では、両クラブで明確な違いもある。神戸ではトップチームとU-21チームの活動を別々にしているのに対し、G大阪は全体が一緒になってトレーニングをしている。年齢制限なしが6人(推奨は3人)、22~24歳が4人までとされるオーバーエージ(OA)枠の使い方も異なる。負傷明けのOA選手が調整機会として出場する可能性も考えられるが、神戸は「練習試合ではいいが、公式戦では絶対にしない」。一方でG大阪は「ベテラン選手が来て、ユースの選手がその背中を見てやるというのはすごく刺激的なこと」と対照的だ。2種登録の下部組織選手も含めた選手数や環境によって、各クラブの対応はさまざまとなりそうだ。

この2クラブ以外も2種登録選手を増やしているが、神戸やG大阪のようによりレベルの高いU-21での活動を優先させるのか、U-18プレミアリーグをはじめとしたユース年代の試合を重視するのかといった差も出てくるとみられ、ユース年代の活動にも今後影響を及ぼす可能性がある。

これから始まるリーグで、各クラブは試行錯誤しながらの運用していくことになるが、ここからどんな選手が育っていくのかには注目。30年W杯(スペイン、ポルトガル、モロッコ共催)にもつながる活動になると期待が寄せられる。【永田淳】

◆東に浦和レッズ、FC東京、東京ヴェルディ、川崎フロンターレ、清水エスパルス、ジュビロ磐田の6クラブ、西に名古屋グランパス、ガンバ大阪、ヴィッセル神戸、ファジアーノ岡山、V・ファーレン長崎の5クラブが参加する。大会は東西に分かれてホーム・アンド・アウェーで行われる東西リーグラウンド、異なるグループのチームと1回戦総当たりで戦う交流戦ラウンド、両ラウンド終了後の順位に応じて争われるプレーオフラウンドの3段階で構成される。