J2町田は28日、『東京クラシック

 ~より美しいフットボールはどっちだ~』と銘打って4月1日に開催するホームゲーム東京V戦に向けての記者会見を行った。ともに攻撃サッカーを目指す両チーム。アルディレス監督(59)は「大変重要な一戦。美しいフットボールとは、今我々がやっていること。プレッシャーの中でもボールを大切にプレーすること。ゴールは全て美しい。美しい試合になればいいと思います」と語った。

 Jリーグの舞台では初対戦となる両チームだが、下部組織では幾度となく熱戦を繰り広げてきた。町田市は40人を超えるJリーガーを輩出してきた「少年サッカーどころ」。東京Vも、その前身「読売クラブ」をトップチームに持つ日本屈指の育成組織を有していた。ともに勝利を目指すだけでなく技術で相手をほんろうすること、「魅せる」サッカーを目指すことも共通していただけに、ライバル意識は強かった。全国の舞台で戦うことも多かった。町田の前身「FC町田」のジュニアユースでプレーしたMF酒井良(34)は、1992年の第4回全日本ジュニアユース選手権で、読売クラブのジュニアユースを破っている。

 「選手も指導者も『読売には負けられない』という意識があった。僕らの年代では負けていない。ただ、彼らは(読売の)ユースにあがっていくのに、僕らの年代は仲間が別々の道を進まなければならなかったのが残念だった。こうしてトップチームで戦えるのはうれしい」。

 少年サッカーチームだった「FC町田」は、89年にトップチームが結成され、97年には現在の「FC町田ゼルビア」にチーム名も変更。しかし、JFLに昇格したのは2009年のことだった。酒井は、同年代の選手が地元にトップチームがないためにバラバラになっていくだけでなく、自分がサッカーを教えた小学生が東京Vに移籍していくことも見てきたという。もちろんよろこんで送り出したが、胸中複雑な思いだっただろう。酒井は「あの頃は向こうの方がいい組織だった。僕たちが勝つことで育成も充実していく。負けられない」と、次節への強い思いを語った。

 アルディレス監督

 「大変重要な一戦。厳しい戦いになるのはわかっている。私たちは美しい冒険をしている。選手たちは私の望むことを実現してくれている。勝ち点6以上のものが私たちにはある。現状には満足している。(東京Vからレンタル中のFW)平本(一樹)は、よく知っている私にもサプライズを与えてくれている。町田ではまだ2ヵ月だが、東京Vで一緒だった2年間より、多く話をしているのではないでしょうか。昔は反抗的なところもあったが、いまは大人になった。いまが一番いいときを迎えているのでは。彼が勝ちたいという気持ちが一番強いのでは。願わくばそうなってほしい」。

 MF酒井

 「東京Vと試合できるのは、フットボーラーとして名誉。小さいときからのあこがれでもある。僕たちは下から積み上げてきたチーム。選手、クラブ、サポーター、11人だけでなく全員で勝ち点をとりたい。相手をリスペクトするのは試合前まで。はじまったら激しく厳しくいきたい。美しさの裏には激しさがある。そういうところも見てほしい」。