11年は独創的ベガルタをお見せする-。宮崎・延岡キャンプ6日目に入った仙台は13日、地元の大学チームと練習試合を行い、新加入のFWマルキーニョス(34)が2得点3アシストと大活躍。MF梁勇基(29)とのクリエーティブな連係が目立った。ボールも人も動きが速く、チーム全体が昨季よりレベルアップしていることをうかがわせた。

 マルキーニョスが加わったことで攻撃のバリエーションは確実に増えた。特に司令塔の梁とは頻繁にパス交換。細かいワンタッチパスでDF陣を崩す象徴的なシーンが前半30分にあった。

 マルキーニョスがペナルティーエリア外でボールを持つと、同エリア内にいた梁に軽い浮き球でパス。速いゴロパスよりも時間がかかるため、走る時間も増え、加速がつく。スピードをつけて同エリアに進入し、梁からワンツーパスを受ける。シュートフェイントを入れ、相手DF2人を置き去りにし、最後はふわりとクロスを上げる。マルキーニョスにマークが集まっていたため、そのクロスをMF太田がフリーでヘッド。流れるような連係で見事な3点目となった。

 「梁とのコンビはすばらしかった。頭の良い選手。とてもやりやすい」とマルキーニョスが言えば、梁も「マルキを意識してた。互いに見ていたし、今後もっと精度を高めていけたら」と相思相愛の初コンビとなった。

 2戦で4得点4アシストと、チーム得点王となっている太田も言う。「ワンタッチでつないで昨年になかった連係があると思う」。マルキーニョス、柳沢とアイデア豊富で経験もある選手が加入したことで、独創的なサッカーが生まれてきた。手倉森監督も「梁とマルキは初めて組んだがよくできていた」と納得の表情。見ている者を魅了する“セクシーベガルタ”が誕生しそうだ。【三須一紀】