心停止で一時は選手生命を危ぶまれた男が、奇跡の復活を果たした。1次リーグD組で、デンマークのMFクリスティアン・エリクセン(30=マンチェスター・ユナイテッド)がチュニジア戦でスタメン出場。3度目のW杯で縦横無尽にピッチを走り、正確なパスでチャンスメーク。後半には強烈なシュートを放った。

悪夢から528日。誰がこの復活を想像しただろう。昨年6月の欧州選手権1次リーグ。地面に胸を打つように倒れた。騒然となり、担架で運ばれた。これで終わってしまうのか。背番号10は屈しなかった。アクシデント翌日に「私は諦めない」とコメント。70グラムの植え込み型除細動器(ICD)を胸に装着する手術をし、3月の代表復帰戦で、いきなりゴールを決めた。

19日の会見では「特別な気持ち。我々は大きな夢を描いている」と過去最高の8強を超えることを目標に掲げた。試合はデンマークがチュニジアと0-0で引き分けた。