米国とスコアレスドローで引き分け、決勝トーナメント進出一番乗りを決められなかったイングランドのガベス・サウスゲート監督は、「満足」と依然として16強へ強力な立場にいることを強調した。

7大会連続16度目の出場となった同国は、ここ30年のワールドカップ(W杯)の試合で最も少ない8本のシュートにとどまるなど精彩を欠いた。だが、試合後のサウスゲート監督は「選手のメンタリティーが悪かったら負ける試合だった」と、勝ち点1を死守した選手たちをたたえた。

前節のイラン戦は6発の大勝だっただけに、この日は落胆の声も大きかった。試合終了直後には、会場全体から大きなブーイングも響き渡った。それでも「スリー・ライオンズ」を率いる指揮官は、「あれだけ快勝した後に、再びあのようなレベルを見つけるのは非常に難しい」ときっぱり。「選手たちは少し落ち込んでいるようだが、私はそうではない。満足している」と、決勝トーナメント進出へ確かな手応えを感じている様子だ。

一方で、BBCラジオで解説を務めた元同代表のDFマイカ・リチャーズは、この引き分けに辛口評価を下した。イラン戦と同様の先発メンバーを敷きながら、マンチェスターC所属の若手エースMFフォーデン(22)を後半に下げたことに対し、「最高の才能を持つ選手の1人がベンチに座っていたことが理解ができない」と疑問を投げかけた。さらに「これは大きな間違いだった」と批判した。

海外メディアも、ネーションズリーグで大敗し、リーグB降格となった今夏を引き合いに出し、「時計の針が逆行した」と嘆きをもって報じた。

次節は、29日(日本時間30日)にウェールズと英国対決に臨む。4失点の敗戦を避けられれば決勝トーナメント進出が決まる優位に付けているが、最後まで気は抜けない。