H組1位のポルトガルが、エースFWロナウド(37)の代わりに先発に抜てきされた21歳のFWラモス(ベンフィカ)のハットトリックなどで、G組2位のスイスに6発で圧勝し、06年のドイツ大会以来、4大会ぶりに8強進出を決めた。

ポルトガルは1次リーグで全試合先発していたロナウドがベンチスタート。代わりにラモスが3トップの中央に入った。世界的スターの16歳年下の新星がいきなり大舞台で躍動した。前半17分、ラモスはゴール左でFWフェリックスのパスを受けると左足を振り抜き、ニア上に突き刺し先制点を決めた。

ポルトガルは前半33分、右コーナーキックから39歳のベテランDFペペが頭でネットを揺らし追加点。2-0で迎えた後半6分、再びラモスが決定機を迎える。ラモスが、DFダロトのグラウンダーのクロスをゴール前で左のつま先で合わせ相手GKのまたを抜く技あり弾で加点した。

ポルトガルは後半10分にもDFゲレイロの得点で4-0。ベンチのロナウドもゴールラッシュに笑顔で拍手をしていた。スイスも後半13分、コーナーキックから1点を返す。しかし、ポルトガルは後半22分、ラモスがフェリックスのスルーパスに抜け出し、スイスGKゾマーと1対1に。左足のチップキックで浮かせ、ゴールに流し込んだ。ラモスはハットトリックを達成した。

後半28分、ポルトガルはラモス、ペペ、フェリックスの3枚替え。ロナウドがピッチに立つと、スタジアムの観客から大歓声が起こった。ロナウドは後半39分、左足でネットを揺らすがオフサイドの判定。だが、観客はロナウドのシュートを生体感し大喜びだった。後半アディショナルタイムにも、ポルトガルは途中出場のFWレアンの得点でダメ押し点。6発圧勝で8強進出。ポルトガルは準々決勝でモロッコと対戦する。

▼ハットトリック ポルトガルのFWゴンサロ・ラモスが5日の決勝トーナメント1回戦スイス戦で3得点。今大会初。前回18年ロシア大会1次リーグでイングランドのケーンがパナマ戦で記録して以来、通算53度目。決勝トーナメントでは90年イタリア大会の同1回戦でチェコスロバキアのスクラビーがコスタリカから3得点して以来32年ぶり。

▼年長得点 ポルトガルの39歳DFペペが5日の決勝トーナメント1回戦スイス戦で得点。39歳283日でのゴールはカメルーンのロジェ・ミラが94年米国大会1次リーグのロシア戦でマークした42歳39日に次ぐW杯史上2位の年長得点記録。決勝トーナメントに限れば、58年スウェーデン大会でスウェーデンのグレンが準決勝の西ドイツ戦で残した37歳236日を更新する最年長得点となった。